「タミフル発言謝罪」にも不満?
もっとも東国原知事のマスコミに対する苛立ちは、これだけではない。発端はインフルエンザで一時入院していた東国原知事が、宮崎県庁の新年度行事で、新入職員や幹部職員らを前に「タミフルを5日間飲み放題飲んだ。異常行動、異常言動に走るかもしれませんが、広い心で受け止めてほしい」などと発言した。これに対し批判が寄せられたこともあり、当初から予定が入っていた定例会見の冒頭、「不快に思われた方がいるのは事実。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
一方で、「そこまで細かく批判され、訂正を求められるのも如何なものかな」とも述べ、「言論統制の枠内に、非常にグレー(ゾーン)ですけど入るんじゃないかな」と不満を漏らした。どっちが本音なのか。大手マスコミのインターネットニュースの見出しでも「発言撤回」、「謝罪」から「知事が『問題ない』」と重点の置き方が分かれた。
東国原知事は、会見で謝罪する直前、「シニカルというかユーモアを交え社会風刺をしたつもり」と弁解。さらに「(そうした)高度な本質が」と2回繰り返した上で「十分に伝わっておらず」と続け、苛立ちとも受け取れる発言を続けた。
幹部職員を前にした2日の発言では「部長はいらない。現場の実動部隊が重要」と述べた後、「(問題発言があれば)タミフルのせいだと思ってください」と続けた。意識改革を迫る厳しい発言をさらりとジョークで角が立たないよう工夫したようにも見える。また、同日の会見中、「タミフルと異常行動の関係は立証されていないというが、本当は・・という皮肉なんですよね」とぽつりともらしもした。
宮崎県庁へは3日夕現在、「タミフル発言」に対する約60件の意見が寄せられたという。同県秘書広報課は「内容はとりまとめ中」と明らかにしなかったが、関係者によると、応援よりも批判が「やや多いくらいか」という。