宮崎県の東国原英夫知事が、報道への不満を募らせている。2007年4月2日の「タミフルで異常に」の発言に対し寄せられた批判に対し、謝罪する一方で「言論統制の枠内に入るのでは」と苛立ちも見せている。矛先は地元紙の宮崎日日新聞にも向かい、「(同新聞は)御用新聞だ」との発言も飛び出した。
宮崎日日新聞と因縁の「バトル」?
3月中旬、外国特派員協会で講演した東国原知事
4月2日の入庁式の中で、地元紙の宮崎日日新聞の社説を取り上げ、「御用新聞だ」と批判した。知事と宮崎日日を巡っては、2月にもバトルがあった。東国原知事が自身のブログの中で、やはり社説に関連し、「(同新聞に)公開討論会を申し込んだが断られた」と批判、しかし後に申し込んだ事実がなかったことが分かり、知事が訂正したという経緯がある。
今回の社説は、知事が宮崎県の人と自然の潜在力の高さを評価する発言に対し「半分はリップサービスだろう」と触れた。知事はこれに対し、新入職員を前にしたあいさつで「リップサービスではない」と反論、「御用新聞」発言が飛び出した。
当の宮崎日日新聞の受け止め方はどうか。J-CASTの取材に対し、同社報道部幹部は
「知事は、(同新聞は)『御用新聞です』の発言に続け『県を代表する新聞です』と言い直している」
と指摘。
「そもそも御用新聞の言葉の使い方に違和感がある。権力を擁護する新聞のことで、うちは批判すべきは批判してますからね」
とも話した。「抗議する考えはない」と音なしの構えを見せるが、火種はくすぶっていることをうかがわせる「反論」でもある。