「ズル休み」をして、大阪市のバス運転手が何度も海外旅行に出かけていた。しかし、友人のブログがきっかけでバレてしまう。いまや、他人のブログでも「顔出し」されたら危険なのだ。
いっしょに外国を訪れている写真が掲載された
大阪市は公式HP上で、懲戒処分を公表し「厳正に対処するとともに、不祥事再発を防止する」としている
大阪市交通局は、虚偽の休暇申請を行い、海外旅行を繰り返した同局自動車部の職員を07年3月29日付で懲戒免職処分にした。休暇の「虚偽申請」が発覚し、処分となったきっかけは職員の友人のブログだった。
旅行記として再三にわたり、いっしょに外国を訪れている写真が掲載され、「ズル休み」が発覚。しかし、当の本人は事実を否定、交通局からのパスポート提示依頼も拒否し、
「外務省に問い合わせればわかる」
というようなことを言ったらしい。つまり、「出国記録」などがバレるはずもなく、「ズル休み」の確かな証拠が握られることはないと思っていた、という。
しかし、交通局は東京入国管理局に出国記録を問い合わせ、「ズル休み」の証拠を握る。出国記録などの「個人情報」について、J-CASTニュースが法務省入国管理局にたずねると、
「個別事案については回答できない」
とした上で、一般論として、出国記録は「個人情報」として保護されているが、情報提供の対象が行政機関などの場合、相当な理由があれば提供できるようになっている、と話した。今回がその事案にあたる、というわけだ。
約3年間で32回海外渡航し、うち25回は無届け
04年2月から06年11月末までの約3年間の間に、合計で32回海外渡航し、うち25回は無届けで海外に行っていた。海外渡航の日数は土日含め、214日間に及んだ。同局では規約として長期にわたる海外渡航は事前届けが必要とされている。
04年2月から05年9月末まで約1年半の間に「ボランティア休暇」として4日、「公務災害」「病気」などの名目で4回にわたり休暇を取得、いわゆる「ズル休み」をした。
J-CASTニュースが大阪市交通局自動車部に、職員の休暇取得や海外渡航日の多さをたずねると、
「バスの運転手は、ローテーションがきっちりときまっているため休暇の取得は安易ではない」
としながらも、休暇の回数や日にちの多さの異常さについては、「事前に申請していれば可能な範囲」と説明した。
ただ、この職員は勤務状態や勤務態度について、再三にわたり上司に注意を受けていたという。