フィルタリングサービスを利用している親は少ない
それでも、子どもに有害サイトにアクセスさせないフィルタリングサービスを利用している親は少ない。インターネット協会が06年に発表した「子どものインターネット利用実態調査」でも、フィルタリングサービスを利用している保護者は全体の5分の1以下だった。
さらに「わいせつ画像」などを投稿する中高生も問題になっている。警視庁が2007年2月に発表した出会い系サイトに関する調査では、被害者のうち83.1%が18歳未満で、こうしたサイトへのアクセス手段として携帯電話を使用した被害児童が96.6%にも上った。さらに、こうしたサイトに関連した児童買春・児童ポルノ規制法違反の検挙件数が、ここ数年で激増している。
J-CASTニュースでも既に報じたが、07年2月には女子中高生6名が自らわいせつ画像を携帯サイトに投稿し、わいせつ物図画公然陳列罪などで兵庫県警に検挙された。しかし、兵庫県警は「罪悪感のない様子だった」とこの女子中高生に対して語っていた。このように、自身の裸を平気で携帯サイトに投稿する中高生は後をたたない。
児童ポルノに係る犯罪などに詳しい奥村徹弁護士はJ-CASTニュースの取材に対し、
「従来は少年たちが『盛り場』などに立ち入らないように大人の補導員がいたりしてそれなりの効果があったと思うが、今では携帯でインターネットをすることで無防備かつ直接的に『盛り場』に入ってしまう。そして、思慮浅薄な子どもたちが罪悪感や被害者意識がないということになる」
と答える。さらに次のようにも指摘する。
「(携帯電話に)デフォルトの状態でフィルタリングをかければいいのだが、キャリア(携帯電話通信社)にとっては有害サイトへのアクセスも情報提供料として収入源になるため、消極的なのではないか。有害サイトにアクセスを禁止する社会的な機運が高まってほしい」