ライブドア前社長のホリエモンが2007年3月16日、東京地裁から証券取引法違反の罪で2年6ヶ月の実刑判決を受けた。06年1月の逮捕時にはネット上の掲示板やブログで、ホリエモンを罵倒するカキコミと、応援のカキコミが入り混じり騒然となったが、今回は「ネット上の空気」が当時とかなり違う。「日興との比較で不公平だ」といった批判が多かった。
日興コーディアルとライブドアの差は何?
判決日が近づいた07年1月27 日、ヤフーのQ&Aサイト「知恵袋」にこんな質問が出た。
「日興コーディアルとライブドア、検察の動きの差は何? なんかありそうですね?!」
ベストアンサーに選ばれた回答は、
「ライブドアの起訴容疑と比べても遥かに巨額(粉飾の疑いが300億円)です。 (会計操作の)手口は似てますが、ライブドアの手口は単純でSPCを連結外にして子会社株式の売却益を利益計上しただけですが、日興の手口は、そこにEB債を組み合わせた、より高度で複雑な手口です」
と日興の悪質さを指摘した。
2ちゃんのカキコミも、ホリエモンと日興を絡ませたものが目に付く。
「堀江が有罪は当たり前なんだけど、なんか納得行かない」
「日興コーデイアルは?上場廃止にもならず、逮捕者も出てない」
「日興があんなんだから堀豚にはマジで同情する。これはどうみても不公平」
「上に逆らうから、こうなるんだよ。利益誘導したり、天下りを積極的に受け入れたり、 そういうことをやっていかないと企業は生き残れない」
「これで宮内が執行猶予だったらすんげー笑う。法治国家とか言うレベルじゃない。指示された判決だったと思うぞ」
「司法に失望した」と橋下弁護士が吼える
橋下弁護士、ホリエモンの有罪判決に吼えまくる(テレビ朝日より)
そして判決後の07年3月16日、「ヤフー掲示板」はこんなカキコミであふれていた。
「日興も有罪だったら、『やっぱり粉飾は悪いよね』くらいだなんだけど。ホリエモンは好きじゃないけど可哀想になった」
「一番汚いのは日興の連中と、東証のグル連中。ホリエモン君、悔しいだろうが、世の中とはそんなモンだよ」
「同じ粉飾決算でホリエモンは実刑で日興コーディアルは逮捕者ゼロ?どうして!なんだ 当局は説明責任があるはず」
橋下徹弁護士は07年3月16日、テレビ朝日系「スーパーモーニング」で、「バランスを欠いた判決だ!」として、こう吼えた。
「僕はもう失望しました。司法というのにね。利得に注目するのなら詐欺罪でもなんでもやればいいわけで、(罪に問われたのは)有価証券報告書の虚偽記載ですよ。政治資金収支報告書の虚偽記載はどうなってるんだ、ということですよ。世の中、バランスがあって、こんな事で、実刑で、しかも、反省の態度がないと言っているが、否認して争っているわけで…。(罪を)認めないと執行猶予がつかないと言うのなら、冤罪事件は山ほど出る。刑の均衡を見て、しかも社長を辞任しているわけですから、再犯ってないわけですよ。世間になびいてるとしか思えない」