1本5,000円?6,300円? 疑惑の松岡大臣が飲んだ「ナントカ還元水」

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   松岡利勝農林水産大臣の「ナントカ還元水」発言をめぐって、与野党の攻防が続いている。新聞各紙も「その水が『あるとすれば』」と仮定し、色々と知恵を絞って記事を書いている。どうやら高価なものらしいが、その正体は。

   問題のきっかけは、松岡大臣が2007年3月5日、参院予算委員会で、議員会館の光熱水費507万円の使途について「水道はナントカ還元水とかをつけている。暖房なりなんなり、別途そういうものも含まれる」と答弁したものの、それ以降は「適切に処理されている」と繰り返すばかりで、詳細な説明を拒んだことに始まる。議員会館の光熱水費はタダで、松岡大臣が他に事務所を構えていないことから、「巨額すぎておかしい」と騒ぎになった。

「こんな水を買うなんて、常軌を逸している」

各紙は「ナントカ還元水」の正体を探っている
各紙は「ナントカ還元水」の正体を探っている

   日刊ゲンダイ朝日新聞が、松岡氏の事務所を直撃取材、「ナントカ還元水」の装置、つまり「浄水器」が存在が確認できなかったことを報じた。9日には民主党議員も「アポ無し訪問」。だとすると、「ミネラルウオーター」しかない、というわけで、周辺からは「実は1本5,000円の水を飲んでいた」という声も飛び出すが、やはり「ナントカ還元水」の正体は明らかにならなかった。

   こんな状況に対して、新聞各紙は、「還元水」が何者かをさぐる記事を相次いで掲載している。「日刊ゲンダイ」は、3月12日、松岡事務所が「ナノクラスターGeルルド水1200」なるものを買っていたらしい、と報じている。鹿児島産の有機ゲルマニウムを大量に含む水なのだといい、そのお値段は500ミリリットルで6,300円。これを1日2本飲めば、年に500万円ということで計算は合うが、この水を飲むべき量は「1日3回約300ccを飲めば健康にいいらしい」という程度だというから、やはり計算は合わない。それ以前に、同紙は、

「こんな水を買うなんて、常軌を逸している」

と批判している。

   同日の夕刊フジはもっと踏み込んで、この水を製造している会社の社長に取材、

「松岡大臣が(1日2本なんて)そんなに飲むなんてあり得ない。代理店を含めて、顧客リストに大臣の名前はありません」

というコメントを引き出している。

民主党はトーンダウンする一方

   フジサンケイビジネスアイが3月14日に掲載した記事では、市販の「還元水」生成器の主力は本体価格25万~30万円であることを紹介しているほか、松岡大臣が「いま、水道水を飲んでいる人はほとんどいない」と述べたことに対して、「非常に残念」と東京都水道局が憤る声を掲載している。水道局では、「東京水」という名前で、500ミリリットル100円でペットボトルでの販売も行っている。

   朝日新聞は同日、1本2,000円もするミネラルウオーターの売れ行きが山梨県で好調なことを紹介する記事を掲載。富士山の地下水に含まれる水素濃度を独自の技術で高めたのだという。本来はこの記事、「ナントカ還元水」とは関係ないはずなのだが、

「『何とか還元水』より体に良さそうに聞こえるが、国会議員からの注文は、まだないという」

という皮肉で締めくくられている。

   この「ナントカ還元水」問題、進展を見せるのかと思えば、民主党議員が松岡事務所を「直撃取材」したことを、3月13日に同党理事が「マナー上、慎重さを欠いていた。本人たちに厳重に注意した」と陳謝してしまった。その上、民主党の中井治(ひろし)元法相が05年に計上した286万円の光熱水費について、別の費目の経費を付け替えて虚偽に記載していたことが明らかになり、トーンダウンする一方だ。

   大臣が飲んでいる水の正体が明らかになる日は来るのだろうか。

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