米CNNテレビがウェブサイトで行っているアンケートをめぐって、韓国のネットユーザーが対日対決姿勢を強めている。従軍慰安婦問題について「日本は再び謝罪すべきか」と問うたものだが、これに「NO(=謝罪すべきでない)」と答えた割合が多く、韓国側が「日本の保守勢力による情報操作だ」と反発。韓国のネットコミュニティーでは「YES」へ投票するように呼びかける声が大きくなっている。韓国3大紙も「サイバー戦争」と、この話題を取り上げ、騒ぎは拡大しつつある。
一時は「謝罪NO」の割合が9割に達する
CNNの投票ページが波紋を呼んでいる
旧日本軍の従軍慰安婦問題について、米下院で日本政府に謝罪を求める決議案が提案された。これについて、2007年3月5日、安倍首相が参議院予算委員会で「決議があったからといって、我々が謝罪するということはない」と述べたのがきっかけとなった。米CNNのウェブサイトでも、直後にAP通信配信の記事を掲載し、この件を報じた。記事の横に設けられた”Quick Vote”と呼ばれる簡易投票システムが、「日韓サイバー戦争」の「戦場」となった。
このシステムは、「日本は第2次世界大戦中の従軍慰安所について、再び謝罪すべきか?」という問いに対して、「YES」か「NO」を選び、「投票」ボタンを押すという、簡単な仕組みだ。
当初は55対45ぐらいで「YES」、つまり「日本は再び謝罪すべき」という声が優勢だったが、6日ごろから「NO」の数が急増、一時は「NO」の割合が9割に達した。
これに対して、3月8日から9日にかけて、韓国の3大紙はいっせいに反応、
「『CNNの慰安婦アンケート』、ネチズンの韓日戦」(東亜日報)
「慰安婦: CNNネット投票で日本に有利な結果続出」(朝鮮日報)
「『日本の謝罪は必要か』CNNアンケート81%が『NO』」(中央日報)
といった見出しで報じた。この話題は日本国内のメディアではまだ報じられておらず、韓国側の一方的な関心の高さがうかがえる。
各紙とも、
「日本の保守勢力が集中的に投票への参加を促し、投票結果を日本側に有利にさせた可能性を排除することができない」(中央日報)
などと、投票のプロセスに疑問を投げかける論調で、あわせて、韓国の各ネット掲示板では「YES」へ投票するように呼びかける声が大きくなっていることを紹介している。
「韓国人ならぜひ投票してください!」
特に、朝鮮日報によると、ポータルサイトには「韓国人ならぜひ投票してください!」というタイトルの動画まで掲載されているという。
これにとどまらず、中央日報は「ワシントン挺身隊問題対策委員会」のソ・オクチャ会長の「アンケート調査がこれで終わっては問題」「韓人社会および韓国のネチズンたちも関心をもってYESに投票してほしい」というコメントを紹介、ネット社会のみならず、「リアル社会」でも投票呼びかけの動きがあることを報じている。
一方で、朝鮮日報は2ちゃんねる内の「ハングル板」を「代表的な嫌韓コミュニティー」と紹介、日本側が韓国の反応に反発する声を紹介している。
だが、現在の「ハングル板」では、この投票に関するスレッドは見あたらず、どちらかといえば、ニュース系の掲示板で、上記の韓国側の報道について扱っているスレッドが立てられているのが目立つ。発言内容は、
「好きにさせてやれば、良いのでは」
「いまさらネットでアンケートなんてやってるほうもやってるほう まともな答えが出るわけが無い」
と、冷めた見方が大勢だ。
ちなみに3月9日18時半時点でも、このCNNの投票は続いており、投票数は約320万に達している。投票の割合は、「YES」が25%で、「NO」が75%だ。