東京都板橋区の私立女子高の2人の女子生徒が一緒に首吊り自殺を図った。1人が死亡し、もう1人は軽傷で発見された。遺書には「生活に何の不満もない。身勝手を許してください」などと書いてあったといい、東京・高島平署はJ-CASTニュースに対し、「自殺理由が簡単にわかるような事件ではない」などと話すなど全く持って不可解な自殺だ。
成績がよく、クラブ活動もしていて、イジメもなし
高校生が通っていた学校の進路実績ページには、一流大学の名前が並ぶ
自殺が発見されたのは、2007年3月6日午前0時20分ごろの高島平団地5号棟12階の踊り場。亡くなったのはこの団地に住む一流女子高の2年女子生徒で、首をつった状態で発見。もう1人は横浜市内に住む同じクラスの生徒で、首にロープを巻きつけた状態で倒れていた。
亡くなった生徒のかばんからは家族などに宛てた3通の遺書が見つかり、また、自宅のパソコンの中にも遺書があったという。そこに書かれていたのは「生活に何の不満もない。身勝手を許してください」。二人とも成績がよく、クラブ活動もしていて、イジメなどの問題は抱えていなかったようだ。自殺した日も普段通りに登校していたというから、この自殺は実に不可解なのだ。
自殺の原因について高校側はJ-CASTニュースに対し、
「生徒達にもいろいろ聞いてみたが、イジメはもちろん具体的な悩みについてもほとんど見つからなかった。亡くなった生徒のご両親は『死に対する興味があったようで、そういうものに憑り付かれ、持って行かれた』と伝えてきて、私どももそういう結論になっています」
と話した。
大人には理解できない
「自殺願望―どうすれば『抑止力』になるのか」「まわりにあわせすぎる人たち」などの著書がある女子高生問題に詳しいロブ@大月さんは、「生活に何の不満もない」という遺書に注目し、
「もちろん自殺には複合的要因があるのですが、不満が無いのが不満という理由もあるんです。トップクラスの高校に入って、入ったら輝かしい未来が開けると思っていたら、平坦な道が広がっているだけ。優秀とされる男子校、女子校は特に、異性との交流も無く、ただつまらないだけと退学する生徒も多い。一方で、不満が無く平坦であるがゆえに悲劇のヒロインに憧れる。自殺したらヒロインのごとく生きた証をのこせるのではないか、と自殺に走る。大人は不満が無いから自殺、というと理解できないようですが、実際にこういうことがあるんです」
と話した。