製造業で正社員化進むのかは微妙
07年3月6日付けの日本経済新聞でも同様の動きを特集しており、高島屋、三越、西友、女性向けカジュアル衣料品の「ポイント」がアルバイトや契約社員の製造業で登用を進めていることを報じている。
このように見ていくと、正社員化を進めているのは、小売り・流通業が目立つ。これは、他の業界には波及していくのだろうか。これに否定的な見方をしているのが、「日刊ゲンダイ」。同紙は、人事コンサルタントの
「モノづくりの製造業ではそうはいかないでしょう」
という声を紹介、例として偽装請負が問題化したキヤノンの例を挙げている。同社の07年の中途採用は前年比37%増280人、新卒採用は15%増の930人の見通しである一方、派遣・請負社員の採用計画が派遣・請負社員の正社員化については未定なのだという(グループでの06年実績は430人)。これを「パート軽視」と解釈したのか、同紙では、以下のような悲観的な見方を紹介している。
「製造業はロボット化で作業工程を最小化しているので、パートはマニュアル通りに働けば十分という考えなんです」
確かに、流通・アパレル業ではパートを正社員化した後には「スーパーの売り場責任者」「即戦力の店長候補」などとして活躍が期待されている例が多い。製造業ではこのあたりが不透明、と見られているようだ。