ケータイSNS「モバゲー」 急成長の裏で起きている問題

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   モバイルのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で圧倒的人気を誇る「モバゲータウン」。10代を中心に会員を増やし、現在のところ、インターネットSNS最大手の「mixi(ミクシィ)」を凌ぐ勢いだ。しかし、急成長の裏で、mixi同様に様々な問題もネット上でささやかれ始めている。

   ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する「モバゲータウン」(モバゲー)は、2006年末に会員が290万を超えた。開設(2006年2月7日)からわずか1年の2月2日には会員数が300万人を突破した。

ミクシィ凌ぐ勢いで会員数が膨らむ

急成長中の携帯電話のSNS「モバゲータウン」
急成長中の携帯電話のSNS「モバゲータウン」

   同時に、1日のPV(ページビュー)も07年1月28日時点で2億2,000万を超え、最高値を記録した、と発表している。mixiが開設から約1年10ヶ月後の2005年末に会員数200万人を突破したことを考えれば、「モバゲータウン」はmixiをも凌ぐ勢いで急成長していることになる。

   「モバゲー」の特徴は自由登録制で、10代が圧倒的に多いこと。DeNAによれば、06年12月末時点で10代が65%、20代が28%、30代以上が7%になるという。実際、「モバゲー」で出会う人々は、ほとんどは「中学生」「高校生」といった10代の学生。10代特有の絵文字文化が広がり、mixiとは大分違う雰囲気だ。DeNAは、J-CASTニュースの取材に対し、10代のユーザーが多い理由を、「インターネットをヘビーに使う層・インターネット閲覧を携帯メインでやる層が10代に集中している」ことと、「10代は、口コミで広がるスピードが速い点」を挙げる。

   そして、mixiなどのSNSなどと大きく異なるのは、アバター(ネット上の分身)を設定し、SNS内の仮想通貨「モバゴールド(モバG)」が流通している点。利用者は、アバターや自分の家の見栄えを良くするために、「モバG」で洋服や家具などを買う、という仕組みになっている。

   では、どのように「モバG」を増やすのか。一つはサイト内にある広告をクリックすること。もう一つは、「モバゲー」への招待メールを誰かに送って、そこに貼られたリンクをクリックしてもらい、登録してもらうことだ。つまり、SNSの輪を広げると同時に、広告へのアクセス数を伸ばすという運営会社側への一種の「貢献」によって、利用者は「モバG」がゲットできる、という仕組みになっている。

不特定多数の人に紹介メールを送りつける

   ただ、こうした成長戦略の一方で、それに伴う問題が生じているのも事実だ。 利用者が「モバG」欲しさに、様々なサイトにリンクを貼り付けて入会を煽ったり、不特定多数の人に紹介メールを送りつけるという問題だ。あるブログで次のように書いている人もいる。

「無料ゲームサイト[モバゲータウン]って、おもしろいよ!登録してみてね~http://mbga.jp/AFmb●●●●↑だいたいこんな文章で、アチコチの掲示板を組織的に荒らし周ってる人が後をたちません。うちの掲示板も被害にあってます」

   こうした事態についてDeNA広報は、J-CASTニュースの取材に対し、

「ご指摘いただいた行為については把握しており、サイト内でユーザに向けて注意喚起を行っております。また、違反が確認できた場合は随時警告およびペナルティ等を行っています」

   と説明している。こうした問題が生じたことを受け、SNSに詳しい野村総合研究所の山崎秀夫さんは、次のように指摘する。

「ファシリテーション(運営者の管理や広報体制)の意識の面では、現在ではミクシィと同じように思える。携帯SNSはまだ過渡期で未成熟な面がある。ファシリテーションにこれから力を入れるべきだと思います」
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