ネットに対しての感覚が30歳から上と下では違う
――ひと括りに「R25世代」といっても年齢によって特長が違いませんか。
インターネットに対しての感覚が30歳の上と下では使い方が違うんです。僕の主観も入りますが、30歳以上は検索がメインで、サッカーの試合結果とか行きたいレストランなど「結果」を見に行くんですね。30歳以下はそういう使い方もしますが、コミュニケーション寄りという感じです。2000年頃から「2ちゃんねる」が伸びてきて、「2ちゃんねる以前」「2ちゃんねる以降」で分けられるんです。
例えば就職活動は、ネットで調べたりOB訪問をしたりしますが、「以前」は表面上の情報が得られるにすぎませんでした。「以後」の場合は、「就職スレッド」で企業や勤務社員の裏情報が取れるようになった。つまり、24歳~29歳はコミュニケーションの中で出てくる情報をとりに行く経験をしたのがポイントです。
24歳より下の世代になるとケータイがメインになってきます。2ちゃんは不特定多数ですが、ケータイの場合、相当閉じたコミュニケーションになっているんです。ミクシィもオープンで使う人と閉じて使う人がいますが、閉じて使う人は若い人が多いという気がしなくもない。
――なぜ若い人は閉じて使うのでしょうか。
不特定多数の人と繋がることにはメリット、デメリットがあります。若い人は不特定多数に繋がる経験で、いい目に合わなかった人が多いのではないでしょうか。
――「R25」は今後どんなメッセージをターゲット世代に伝えていきますか。
「知っている」と「知らない」の中間にある、曖昧状態の情報って、たくさんありますよね。実態が良くわからない情報。「格差」などはまさにそれ。僕らは知ったかぶりしない視点できっちりと整理して伝えていきます。それを続けていくうちに、読者が持っている曖昧な情報が整理される。そして、さらに考えていって「よりよい社会を自分達が作っていかなければならないよね」となる。そうした動きが自然に生まれてくれればいいなと。
【「R25」藤井大輔編集長プロフィール】
1973年生まれ、34歳。富山県出身。大阪大学経済学部卒。95年、株式会社リクルートに入社。「ゼクシィ」「AB-ROAD」などの雑誌編集を経て、03年9月から「R25」の立ち上げに携わる。05年4月から編集長。「R25式モバイル」「L25」「L25モバイル」の編集長も兼任。