「『本を1冊読み通した』という経験がない人が買う」
たった4人のスタッフでこれだけのベストセラーを送り出すとはスゴイが、山下さんは、その秘密をこう明かす。
「『文章はへたくそだけれど自分たちと同じ体験をしている』という、読者のニーズを分かってるんですよね」
さらに、「Deep Love」がヒットした時の現象を「ケータイ小説の第1期黄金期」とし、それ以降ケータイ小説がブームになった背景を、こう分析する。
「実は、ケータイ小説の読者(主に14歳~20歳の女性)には『本を1冊読み通した』という経験がない人もおられて、ウェブにしろ書籍化されたものにしろ、ケータイ小説を読んでみたら『全部読めちゃった』ということで、ケータイ小説を好きになる、というケースが多いようです。さらに『自分たちと同じキモチ、空気感を共有できる』ということで、『私たちが読むものだ』という意識を持ってもらっているのではないでしょうか」
06年には「第1回日本ケータイ小説大賞」という賞も設けられ、大賞(グランプリ)作品「クリアネス」は書籍化されて出版されたばかり。
今後もケータイ小説は、注目を集めそうだ。