遺族らは「何らかの注意喚起をしてほしい」と要望
その一方で、各国の調査機関は、タミフルと「異常死」との関係を否定し続けている。
05年11月には、米食品医薬品局 (FDA)が「タミフル」服用後に日本の小児患者12人が死亡したことを公表したが、タミフル服用と死亡との因果関係を否定している。
日本の厚生労働省研究班も06年11月に、2,800人を対象にした調査結果を発表。「小児のタミフル服用の有無と、異常行動などの現れ方に統計的に意味のある差はない」としている。
柳沢伯夫厚生労働相も、これらの調査結果を根拠に、「因果関係がまだ十分解明されていない」として、今回の事故と受けて、タミフルに関する注意喚起を行うことには否定的な見解を示している。「何もしない」と受け止められても仕方のない対応だ。
こんな状況に対して、遺族らで組織する団体は「因果関係が証明されていなくても、医師は投与の際に何らかの注意喚起をしてほしい」と要望し続けている。