東国原英夫・宮崎県知事が今度は週刊誌に、自宅マンションに別々の女性2人が出入りする様子を撮影された。そのうちひとりが日本テレビの若手女性記者だったこともあって、騒ぎは拡大しつつある。知事は日記で、自宅には他社の記者も宿泊しているとし「かなり開かれた、透明性の高い部屋なのである(笑)」と弁明するが…。
騒動の発端は、週刊現代2007年3月10日号(首都圏では2月26日発売)に掲載された「東国原知事が連夜自宅に泊めた『二人の女』」という記事。
知事宅で「東京の本社と原稿のやりとりをしていた」?
日記では「かなり開かれた、透明性の高い部屋」と弁明
記事によると、2月12日21時頃、宮崎市内のイベント会社の社長を務めるAさんが、政務秘書のクロマニオン吉川氏(元芸人)に先導されて知事のマンションに入った。深夜3時には消灯し、翌朝10時まで滞在したという。
同様に2月13日夜には、日本テレビの新入社員で、報道局に所属するS記者(23)が、同じく政務秘書に連れられて知事宅に入り、翌朝まで過ごしたという。S記者は週刊現代記者に対して、東国原知事の仕事熱心ぶりを語っていたといい、記事中ではこう皮肉られている。
「ここまで知事に傾倒するSさんだからこそ、家に泊まって11時間にもおよぶ"体当たり取材"まで敢行してしまうのだろう」
この騒動を熱心に取り上げたのが、2月26日朝放送のテレビ朝日系のワイドショー「スーパーモーニング」。日本テレビは同番組に対して
「知事と食事した後、知事とは別の部屋で休んだ。(記者は)東京の本社と原稿のやりとりをしていた」
「国民の関心事である東国原知事の動向を詳細に伝えるべく、担当記者が熱心に取材を行ったものです。今回、取材については軽率のそしりをまぬがれない部分もあったと考えております」
といったコメントを寄せたが、日テレが言う「軽率のそしりをまぬがれない部分」が何なのかは明らかではない。
また、「週刊現代」は、S記者が知事の部屋を訪れる様子を、こう書いている。
「廊下では腰をかがめて(外から見えないように)知事の部屋にたどり着く」
日テレが言うような、通常の「熱心な取材」であれば、「腰をかがめる」必要などないのでは。さらに、「原稿のやりとり」の作業は「取材先に宿泊して送稿」する必要はないし、普通は避ける。
「開かれた、透明性の高い部屋なのである」
東国原知事側は、週刊現代が発売されるのに先立って、2月25日に、自身のウェブ日記に、こんなことを書いている。
「昨夜は、僕の部屋に、週刊朝日の記者や雑誌AERAのフリー記者が泊まっていた。宮崎のホテル等、宿泊施設がどこも一杯でとれなかったらしい。『知事効果のせいですよ』と言われれば、泊めるしかない(笑)。僕の部屋は色んな人が出入りし、毎日のように誰かが訪問され、時には泊まって行かれる。かなり開かれた、透明性の高い部屋なのである(笑)。 後援会関係者、支援者・支持者の方々、友人知人、マスコミ関係者、政治関係者、全く知らない人(笑)等・・・・・・多岐に渡る」
確かに、日記中に書いてある「週刊朝日の記者や雑誌AERAのフリー記者が泊まっていた」という箇所について確認してみると、朝日新聞社広報部からは
「取材が目的で朝まで記者が滞在したことは事実です。いずれも男性の記者です」
というコメントが返ってきた。知事の部屋が「記者が泊まることもある、かなり開かれた部屋」という点は正しそうだ。
2月26日に開かれた県議会一般質問でも社民党の議員がこの問題を取り上げ、知事は
「そんなことを書くスペースがあるぐらいなら宮崎のPRをしていただきたい」
と、憮然とした表情で答弁した。