著者側は「反ユダヤ主義、を明確に否定」と反発
これだけだと、「言論をカネの力でねじ伏せる団体」とも読めるが、この事情について、同センターの副所長は、こう説明をしてもいる。
「我々が行動に移るのは、一線が超された時であり、編集部への手紙一通ではどうにもできない場合です。ユダヤ人は前の世代で人権を侵され、差別的扇動で最終的に民族虐殺を被った。この悲惨な歴史を繰り返さないためには、何が何でも立ち上がるのです」
このような経緯がある同センターだが、今回寄せられた抗議に対して、関係者はどのように対応するのだろうか。
両著者は自身のブログで
「本書を一読すれば、反ユダヤ主義、ユダヤ差別を明確に否定していることがわかるはずである。また、ユダヤ陰謀論に関しては、かなりの文字数をさいて、否定している」(適菜さん)
「私がユダヤの差別をすることは絶対にありません。事実私にはユダヤの血が混ざっていますし、そもそも人種差別は大嫌いです。今アメリカではユダヤ人がユダヤ社会の中の過激派を批難すると、反ユダヤと批難されてしまうのが現状です(略)これは明らかにアメリカが私の言論を封印するという魂胆がみえみえです」(フルフォードさん)
と反発しているほか、本を出版した徳間書店の一般書籍編集部では、J-CASTニュースの取材に対して
「まだ、先方から直接の抗議が来ている訳ではないので、コメントできる状態ではない」
と話している。その一方で、広告を掲載した朝日新聞社には「直接の抗議」が届いた様子で、
「サイモン・ウィーゼンタール・センターからの文書に対しては、真摯に対応したいと考えています」
とファクスでコメントを寄せている。