日本銀行は2007年2月21日に開催した金融政策決定会合で、短期金利(無担保コールレート翌日物)の誘導目標を現行の0.25%から0.5%に引き上げると発表した。
利上げ決定で銀行株が上昇
これを受けて、利上げ実施に伴う利ざやの拡大が期待されることから、銀行株が買われた。
日銀の利上げは06年7月のゼロ金利解除後、初めてとなる。会合では、福井俊彦総裁が追加利上げを提案したのに対して、反対したのは岩田一政副総裁だけだった。同日のasahi.comによると、 総裁・副総裁のあいだで投票が割れたのは新日銀法下では初めてのことという。
1月の金融政策決定会合では6対3で追加利上げが見送られたが、2月の会合でも大田弘子経済財政担当相など政府内には追加利上げを牽制する声が少なくなく、賛否を二分するとみられていたが、“大差”での決定となった。
日銀によると、焦点になっていた消費者物価について、「長い目で見通すと設備や労働といった資源の稼働状況は高まっており、今後も景気拡大が続くと考えられることから、基調として上昇していくと考えられる」としている。
追加利上げの決定を受けた東京株式市場では、三菱UFJや三井住友、みずほ、りそなHDなど大手銀行株をはじめ、常陽銀行や群馬銀行など地銀株も買われ、上昇した。利上げによって利ざやの拡大が期待でき、収益に寄与するとみられている。