2006年大晦日の「K-1 Dynamite!!」で体にクリームを塗っていたとして無期限出場停止処分を受けた秋山成勲選手をめぐって、現在に至ってもネット上で騒動が続いている。動画投稿サイトに投稿された「疑惑の試合」映像の閲覧数も計60万を超え、さらには秋山を追及するサイトまで登場、ファンの不満はいまだにくすぶり続けている。そして、その影響は、スポンサー企業にまで及び始めている。
追及サイトはニュースサイト並みの充実振り
秋山を追及するサイト「すっごい滑るよ!」はかなりの充実振り
秋山を追及するサイト「すっごい滑るよ!」では、「問題の試合」の検証やその後のメディアの報道を詳細にまとめているほか、秋山の最新の動向までも報じており、半ばニュースサイト並みの充実振りだ。
例えば、「不正クリーム故意疑惑」のコンテンツでは、運営者の発表資料で秋山が使用したとされる保湿クリームのパッケージ画像や、その成分一覧を掲載し、
「『ワンセリン』と明記されていますが…。周りに格闘技経験者がたくさんいる状況でローションを塗っていたとしたら、誰も注意をしないということはありえない。注意をしないとするならば、計画的、つまり『故意』ということではないでしょうか」
などと「検証」している。
さらに、動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)やGoogle Video(グーグルビデオ)などに投稿された動画が同サイトに表示され、「問題の試合」の動画のほか、サブレフリーがサムライTVの番組で「因果応報。神様は見てます!真実は神様が知ってます」と発言した動画、秋山のさまざまな「疑惑」を検証する動画などが閲覧できるようになっている。
なかでも、「問題の試合」についての動画は同サイトに9つ表示されており、合計の閲覧数は60万を超えている。
日清食品が開幕戦スポンサーを降りる
このようなネット上の盛り上がりのなかで、スポンサーから撤退する企業も出始めた。
大晦日の「K-1 Dynamite!!」のスポンサーを務めた日清食品は、07年3月に開催される「Hero's 2007開幕戦」とのスポンサー契約を締結しないことを決定した。同社には、「問題の試合」以降、「スポンサーをやめるべき」などの抗議がファンから殺到。なかには、「TBSに対応してもらえなかった」などの理由から、同社に問い合わせる人も多数いたという。同社はこれを重く見て、スポンサーから撤退することを決めた。同社広報はJ-CASTニュースに対し、
「(秋山の)反則があったことを含めて、Hero'sの宣伝活動をする必要がないと判断しました。消費者あっての企業ですから、消費者の声に対応して(契約に)慎重になったというのはあります。(イベントを)提供することについての責任を、スポンサーも持たなければならない、そのことを今回の件で勉強させてもらった気がします」
と答えた。
日清食品は、3月以降の「Hero's」とのスポンサー契約については「検討中」としているが、今後については慎重になっている、との見解を示した。
ちなみに、秋山追及サイト「すっごい滑るよ!」では、スポンサー企業に抗議した際の対応をランク付けしているが、同社は「すばらしい対応」と評価されている。