サッカーW杯と北京五輪のはざまで苦しい
年末商戦での大幅な価格下落は、内外メーカーの競合で販売競争が激化した一方で、需要が業界の期待ほどに伸びなかったことが要因と見られている。「年末商戦の伸びは予想ほどではなかった。デジカメもDVDレコーダーも厳しい」(富士通幹部)という。06年のサッカーW杯と08年の北京五輪にはさまれる今年は、大きな需要盛り上げ要因がない。価格下落の傾向がさらに続いた場合、投資減速の動きは家電大手にとどまらず部品、素材などすそ野産業に拡大する可能性もある。
価格下落に耐えるには、生産設備増強などで生産コストを引き下げる選択肢もある。実際、プラズマで国内独り勝ちの松下電器産業は、2,800億円を投じて09年に新工場を稼働させ、生産能力を4倍に増やす計画だ。しかし、市場シェアの低いメーカーがこの動きに追随するのは難しい。パイオニアも日立もプラズマからの撤退は否定しているが、追加投資を止めれば、それだけ生き残りが難しくなりそうだ。