「上場廃止」には勇み足は許されない
従って、日興の責任追及委員会がクロの山本、平野両氏を提訴するのは当然とみられ、有村氏についても「今後、検討する」のは当たり前というわけだ。つまり「状況証拠的には朝日程度の記事なら、誰だっていつでも書けた」というのが、マスコミ業界の評価だ。
この程度の記事であれば、「当たらずとも遠からず」で許容範囲かもしれないが、日興の上場廃止か否か、となると全然違う。「上場廃止」と「上場維持」はたった二文字の違いだが雲泥の差で、勇み足は許されない。東証の西室泰三社長は、日興が訂正報告書を提出する2月末から、結論を出すまでに「2週間程度かかる」と表明している。マスコミにとっては、日興が訂正報告書を提出した翌日から、息の抜けない神経戦が本格化するだけに、その報道ぶりには今から注目だ。