東京・板橋区の東武東上線ときわ台駅付近の線路内に入った女性を助けようとして殉職した宮本邦彦警部に対し、安倍首相は2007年2月13日の閣僚懇談会で、緊急勲章を授与する意向を示した。ところが、安倍首相は12日に板橋署に弔問に訪れ、記者団に対し、宮本警部のことを「ミヤケさん」と何度も間違えてしまっていた。実はこの「ミヤケさん」、妻アッキーのサポート役の首相公邸連絡調整官の「ミヤケさん」だったのではないかとささやかれている。
安倍首相は故宮本警部の弔問に訪れた際、記者団に対し次のように語った。
「ミヤケさんの、亡くなられたミヤケさんのような方が、町の安全を守っているのだと思います」「危険を顧みずに人命救助に当たったミヤケさんのような方を、私は総理として日本人として本当に誇りに思います」
夫人のサポート役である宮家氏と勘違い?
安倍首相の名前間違いは公邸の「ミヤケさん」?
せっかくの弔問だったが、名前を何度も間違えてしまった安倍首相。実は、この「ミヤケさん」、首相夫人である昭恵夫人のサポート役である首相公邸連絡調整官の「ミヤケ(宮家)」邦彦氏ではないかと大人気ブログ「きっこの日記」で07年2月14日に指摘された。
内閣官房によると、宮家邦彦氏は06年10月4日に首相公邸連絡調整官に任命。安倍首相の父・晋太郎氏が外相の時に外相秘書官を務め、その後立命館大学客員教授を務めている。安倍首相とは家族ぐるみの付き合いだ。
首相公邸連絡調整官は、公邸内の執務室に基本的に常駐し、首相と首相夫人との連絡調整を行うのが主な任務で、海外訪問などの際にも夫人に同行するなど、まさに昭恵夫人のサポート役という立場。公邸にいるのだから、安倍首相が宮家氏と毎日会う機会もあるわけだ。
J-CASTニュースが内閣官房に、弔問の際の「ミヤケさん」は宮家氏との間違いだったのかと問い合わせたところ、
「ちょっと私には分からないですね。家族ぐるみの付き合いということなので、そうなのかなとも思いますが」
とその可能性については否定も肯定もしなかった。一方、首相官邸事務所は、「わからない」と答えるだけ。結局、首相周辺では可能性はあるかもしれないが、首相本人に聞いてみないと分からない、ということのようだ。
宮家邦彦氏は07年で54歳になるが、殉職した宮本警部は53歳。同い年である可能性が極めて高い。しかも、名前も同じ「邦彦」である。「日本の誇り」とまで故宮本警部を評した安倍首相だけに、思わず親近感を覚えて「ミヤケさん」と言ってしまったのかもしれない。