調査結果次第で生保業界も「引責ドミノ」
だが、第一生命の3大疾病特約の不払いが明るみに出た時の同社の対応を見て、金融庁は業界の自主調査に委ねれば、手前勝手な基準で不払い件数をすり合わせしかねないと判断した。この背景には、保険商品は金融庁が認可したもので、対応を誤れば保険会社に向かう批判が自分たちに向かってくるとの金融庁の思惑もみえる。
損保業界では不払いが見つかった社のトップが引責辞任しており、生保業界でも調査結果次第では引責辞任のドミノ倒しが発生する恐れも出てきた。
生保はこれまで、「加入時に厳しく、支払いは緩く」(大手生保)と説明してきた。しかし、その説明もどうやら怪しくなりかねない。生保はもとの保険契約件数が膨大なだけに、「不払い件数と金額は、損保の比ではない」(同)との声も漏れる。「社長人事は無風」とされてきた生保業界で、不払い問題というパンドラの箱が開けられようとしている。