金融庁を激怒させた 第一生命のトンデモ言い訳

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   生命保険会社が販売してきた医療保険などの特約などを巡り、金融庁が2007年2月1日に国内の全生保38社に保険金不払い状況を報告するよう命令を出したことに、生保業界が戦々恐々としている。保険金の不払い問題は、明治安田生命で2年前に発覚して社長らの引責辞任に発展している。生保協会はこれをきっかけに07年3月末をめどに自主調査を進めていた。その最中の07年初め、第一生命保険で3大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)特約の保険金不払いが発覚した。この際の第一生命保険の言い訳に金融庁が激怒して、風向きが一変したのだ。

そんな説明で通ると思っているのか

金融庁、第一生命の言い訳に激怒
金融庁、第一生命の言い訳に激怒

   第一生命はこの不払いの公表にあたって、契約者本人から請求がなかったことを強調した。「加入者に連絡すると、がんの事実上の告知になってしまうので、保険加入の周知が出来なかった」として、自社の判断の妥当性を訴えたのだ。だが、この言い訳では、がんの告知を受けていない契約者本人は保険金の請求を行うことすらできない、ということになってしまう。第一生命の説明を伝え聞いた金融庁幹部は「契約者保護の時代に、そんな説明で通ると思っているのか」と、あきれたとされる。

   金融庁は、相次ぐ厳しい行政処分から「金融処分庁」と揶揄されることも多いのだが、実はこのところ第一生命不払い発覚までは、生損保に気配りをしているかのような穏健な対応が目立っていたのだ。
   特に損保業界で発覚した介護保険などの「第3分野」の不払いについては、損保各社から07年1月中にヒアリングを済ませているのに、行政処分を見合わせている。損保業界では、自動車保険などの特約の不払いの3回目の調査報告を今春求められており、「辞任ドミノを避けるために、一括して処分するのではないか」(大手損保)との見方すら出ていた。
   生保の自主調査についても、調査対象が各社300万件前後と膨大で一定の時間が必要だったこともあって、各社が自主調査の状況を積極的に公表していなかったことに、金融庁は特段の動きを見せていなかった。

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