2、3月の新車販売の結果に注目
国内販売陣営の不協和音が響く中で、三菱と販売店の共通目的は利益の確保。この状況下、三菱はデリカD:5を13年ぶりにフルモデルチェンジして発売した。過去には「パジェロ」とともに「4WDの三菱」の称号を確立した名車でもあり、販売価格が261~341万円と三菱車のラインナップでは高額車の部類に入る。
デリカD:5の月販計画は2,300台だが、パジェロ製造で行う1~3月の生産計画は月産4,000台の計1万2,000台を設定し、販売計画より7割程度多めの台数を販売店に供給できるようにした。通期の決算には2カ月間しか寄与しないが、売れれば販売店は売上高も利益も改善できる。黒字の販売店が大きく増えることはないが、販売店に僅かながらも安堵感が生まれる。
12月に開始したデリカD:5の発売前購入予約は3,400件と月販計画を超え、拡販への期待は膨らんだ。06年末には「アウトランダー」の特別仕様車も発売し、新型パジェロともに、年度末商戦に利幅の多い4WDの3車種を揃えた。
「4WDの三菱」の称号復活で、三菱は販売店との信頼を取り戻そうとしている。三菱にとって、この2、3月の新車販売の結果は、これから大きな再編を控えた国内事業の行く末を暗示することになりそうだ。