菅の「産む生産性」発言 柳沢批判の資格あるのか

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   柳沢伯夫厚生労働大臣の「女性は子供を産む機械」「子供を2人以上もちたいという健全な状況」といった発言が民主党などの野党に厳しく追及されているが、今度は公明党が、民主党・菅直人代表代行の「子供を生む生産性が低い」との発言を猛烈に批判しはじめた。「言葉狩り」とまで揶揄され始めている民主党の追及だが、今度は同じく「言葉狩り」で逆襲された格好だ。

公明が猛烈に菅氏批判始める

「産む生産性」発言への言及は民主党HPにはない
「産む生産性」発言への言及は民主党HPにはない

   公明新聞は2007年2月7日、次のように菅代表代行を批判した。

「菅氏は、愛知県知事選が告示された1月18日に名古屋市東区で演説を行い、『愛知も東京も経済がいい。生産性が高いといわれるが、ある生産性は、一、二を争うぐらい低い。子どもを産む生産性が最も低い』(1月19日付「朝日」名古屋地方版)と述べたという。この発言は、子どもを産む崇高な行為を経済的な生産と同列視したもので、菅氏もまた、女性を“子どもを産む機械”のように認識していることをはしなくも露呈している。菅氏はその後、厚労相の件の発言を、鬼の首を取ったように取り上げ、政府・与党批判を繰り返しているが、菅氏にいったい批判する資格があるのか」

   さらに、07年2月8日のTBS系情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」には、公明党松あきら衆議院議員が出演し、「男性議員のなかにはこういう(菅氏のような)考えの方がたくさんいらっしゃることが残念でございます」と発言するなど、公明党も菅氏追及に乗り出したかたちだ。

   これについて、民主党はJ-CASTニュースの取材に対し、「党事務局としては、コメントすることはない」と返答。07年2月8日午後に行われた記者会見では、「そういう発言があったのか」という質問に菅氏は答えず、「本会議の議事録に私が発言したことの趣旨が書いてあるのでそれを読んで欲しい」と答えるだけ。

「産む生産性」は菅の「お決まり」の言葉だった

   なお食い下がる記者には、

「そのときの表現が、一字一句どうなっていたのかというのは、率直に申し上げて私が喋った全部、言葉尻までは覚えていませんから。少なくとも趣旨は、地域について申し上げたんです。生産性が高い、景気のいいといわれる地域が、出生率の点では低いところが東京など含めて多いということを申し上げました」

   と、「覚えていない」ことを明らかにしただけだった。
   ちなみに、菅氏は山陰中央新報の個別インタビュー(06年8月掲載)でも「少子化問題でも、生産性が高い東京が、子どもの生産性は一番低い」などと答えており、「産む生産性」は菅氏の「お決まり」の言葉だった可能性が高そうだ。
   同日の記者会見では、

「『柳沢発言』の大きな問題性は、多くの国民の皆様には相当程度、私たちの行動には共感いただいたと思っている」

   とまで熱弁していた菅氏だが、なんとも恥ずかしい「結末」になりそうだ。
   もっとも、J-CASTニュースが2月5日「橋下徹弁護士 『柳沢擁護』に熱弁」でも報じたとおり、「言葉狩り」に終始する国会運営については、「共感」するどころか「疑問」の声が多く上がっているのも事実だ。

国語力不足同士の抗争に「もううんざり」

   Q&Aサイト「教えて!goo」での「産む機械発言、どう思われますか?」という質問にも、

「そんなに騒ぐことかな?というのが私の本音ですが…」
「もちろん発言自体は頭にくることですが、それを鬼の首でもとったように騒ぎ立てることの方がもっと後ろ向きで腹立たしいです。何とか辞任においやって、自分達が後釜に座ろうという魂胆みえみえで」
「くだらない・・・騒ぎすぎ野党さん、大人げないよ。ニュース見てると消したくなる」
「政治家にはもっと議論すべきことがあると思います。一つのことに拘りすぎです」

   と「そんなに騒ぐことなのか」といったコメントが大半だ。
   柳沢大臣は07年2月7日の衆院予算委員会で、

「私の国語力は十分ではないので、また何かを言うと新たな波紋を呼ぶ」

   と発言したが、「国語力が十分でない」政治家同士の抗争に「もううんざり」と感じている人は多そうだ。

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