小学館は「著作権侵害」と判断、作者に販売中止を求める
これを受けて、小学館はこれを「著作権侵害」と判断、06年中に、マンガの作者に販売中止を求めた。この件について、小学館知的財産管理課はJ-CASTニュースの取材に対して
「この件については、現在交渉中で、結論も出ておりませんので、詳細についてはコメントできません」
としながらも、
「今後、著作権侵害については、厳格に対処していきます」
との原則を強調した。
そんな「同人誌」の愛好家が一同に会するのが、「コミックマーケット(コミケ)」だ。年に2回、東京ビッグサイトで開催され、全国から約40万人が集まる。同人誌愛好家の側は、この問題をどう受け止めているのだろうか。
ボランティアスタッフとしてコミケにかかわる、ある大学生は、J-CASTニュースに対してこう明かす。
「コミケは30年ほどの歴史がありますが、一般に有名になってきたのはここ10年ぐらい。これまでは、この(著作権)問題に、きちんと向き合っていなかった、という面はあると思います。そろそろこの問題が表面化してくるのではないか、とうすうすは感じていました。今後、取り組みを強化していく必要があると思います」
その一方で、コミケという場で創作活動を経験し、プロ漫画家に成長した人も多い、というのも事実。2次創作に対してプレッシャーが強くなりすぎると、漫画家が育つ芽を摘むことになり、業界の人材が枯渇する、という懸念もある。
そうは言っても、法律を守らないままで「創作活動」の場を守ることを主張するのは本末転倒だ。このスタッフは、こう続ける。
「コミケには、出版社などの『企業ブース』も増えてきており、コミケの来場者は『企業と同人誌の両方を目的にする』というケースも増えてきています。企業からすればコミケという場を通して集客できるという面もありますし、その見返りという訳ではありませんが、自社が権利を持つマンガなどについて、2次創作を許可する企業も増えています。このようにして、何とか同人誌と企業とが歩み寄って、同人誌が社会システムの中で認められるようになっていけば良いと思います」