「調査報告」が出ないと返品の要請はできない
「あるある本」は97年からすでに6巻が発売されており、シリーズで計150万部以上発行したともいわれている。
戦々恐々としているのは発売元の扶桑社だ。同社広報は、J-CASTニュースの取材に対し次のように述べる。
「今日(29日)の報道などで、返品するところは増えるでしょう。このシリーズは去年(06年)が最後の販売で、それ以前にも(シリーズが)あるから返品されるのがどれくらいの数になるのかまったく分からないんです」
同社にはまだ返品される書籍はまだ届いていない。というのも、店舗から取次ぎ先に返品し、取次ぎ先が発売元に返品する、という手順を踏むため、扶桑社に書籍が届くのはだいぶ先になるのだ。また、出荷を停止したものの、書店への返品の要請も、出版者である関西テレビ側の「調査報告」がなければ決定できないのだという。ただ返品を待つのみの状態は「ほんとに異常事態」と頭を抱える。今回の捏造問題と「あるある」書籍の返品――「一番の被害者は扶桑社ではないのか」との質問に、広報担当者は
「そうかもしれませんが、視聴者や読者の方がいますから…」
と漏らした。