組織改革の姿勢乏しいNHK
値下げにはNHKの経営努力が欠かせないが、今のところその姿勢は乏しい。来年度の予算でも、NHKは経費削減を強調したが、昨年6月の政府・与党合意に盛り込まれた保有チャンネルの削減や、音楽・芸能・スポーツの制作部門を本体から分離するという組織の見直しはない。思い切ったスリム化努力が見えてこないのだ。
受信料義務化を放送法改正案に盛り込むかどうかについて、政府と与党は3月ごろに最終結論を出すことになっている。夏の参院選を控え、義務化に対する国民の反発を懸念する声も与党内に根強い。NHKの改革努力が乏しければ、「払いたくない。義務化なんてもってのほか」と拒否する視聴者の声が高まり、義務化見送りの可能性さえ残る。今後の論議はさらに迷走しそうだ。