「物証」突きつけられても まだ「ミラーマン支援」のなぜ

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   電車内で女子高生に痴漢行為をしたとして、東京都迷惑防止条例違反罪に問われている「ミラーマン」こと元大学教授の植草一秀被告の第3回公判が2007年1月25日開かれた。検察側の証人が「女子高生のスカートの繊維と植草被告の指に付着していた繊維が類似している」と証言。「物証」を突きつけられ、絶体絶命のピンチに追い込まれた形の植草被告だが、被告を支援し続けている「支援ブログ」では、まだまだ粘り強く被告を擁護し続けている。

思わぬ「物証」が登場、ミラーマンピンチに

「支援ブログ」では検察とマスコミの「印象操作」を非難している
「支援ブログ」では検察とマスコミの「印象操作」を非難している

   植草被告は2006年9月に、京浜急行の車内で私立高2年の女子生徒のスカート内に手を入れるなどの痴漢行為を行ったとして逮捕・起訴されていた。12月6日の初公判では「起訴事実については、天に誓ってそのような行為を私はしておりません」などと完全無罪を主張した。12月20日に行われた第2回公判では検察側の証人として目撃者の男性が出廷、「おじさんの左手が女子高生の左側面の、腰からお尻のあたりを触っていた。電車が揺れた時も、体から手が離れなかった。うつろな目をしていた」などと証言、植草被告が証人をにらみつける一幕もあった。

   07年1月22日には600万円の保証金で保釈され、直後の25日には、第3回目の公判に臨んだ。この公判では、思わぬ「物証」が登場、被告はさらなるピンチに追い込まれることになった。
   検察側の証人として登場したのは、事件の鑑定書を作成した、警察庁科学捜査研究所の女性研究員。この研究員は繊維鑑定が専門で、これまで100件程度の鑑定歴があるという。研究員は植草被告の手から採取した繊維片と、被害者の女子高生がはいていたスカートと下着の繊維構成を顕微鏡で比較。その結果、

「植草被告の左手人さし指、右手薬指、右手親指から採取した繊維片が、スカートのものと極めて類似していた」

   と、鑑定結果を述べたという。なお、下着のものとみられる無色の繊維は、タオルやシャツなど日常生活で付着するケースも多いため、証拠としては採用されなかった。
   ちなみにこの女性研究員、「いかにも知的な雰囲気が漂う(スポーツ報知)」「松たか子似の美女(東京スポーツ)」なのだそうだ。

検察は、世間に悪印象を植え付けるためいろいろやる、という主張

   こんな絶体絶命と思われる状況に対して、被告を支援する人々は、どう反論するのか。J-CASTニュースでもたびたび紹介してきた「植草一秀氏を支援するブログ」では、07年1月26日、1974年に発生した幼稚園児が死亡した事件「甲山事件」の、被告に無罪を言い渡した2次控訴審の判決(99年)を引用している。繊維鑑定では被告の犯行を立証できなかった、されたことが無罪判決の主な理由だ。この判決文では以下のように述べており、今回の公判で下着の繊維が証拠採用されなかった経緯と類似している。この判決を引用することで植草被告の無罪説をサポートしたい考えのようだ。

「ごくありふれた毛繊維であり、しかも数多く付着していたいろいろな繊維の中からわずか数本の付着繊維しか鑑定の対象として取り出されていない」

   また、同ブログでは

「前回の公判の後流れたニュースでこぞって書いていた事を覚えていらっしゃいますか?下着の繊維の鑑定結果が証拠として出されると。耳目を集める表現ですね。でもそれは、昨日の公判でも鑑定書にすら採用されていないのです。(略)検察はその鑑定結果は証拠としては無理だとわかってたわけです。でも、世間に悪印象を付けるため鑑定結果が出てるんだ!と流させた」

   と、検察とマスコミによる「印象操作」を、改めて非難している。    さらに、このブログには、植草被告自身が1月24日付けで

「偶然、周防正行監督作品『それでもボクはやっていない』が公開されましたが、痴漢冤罪事件の実情についての正しい理解が広く一般の人々に知られるようになることを期待しています」

   とのメッセージを寄せるなど、半ば「準・公式サイト」と化している面も出てきている。

姉妹サイト