07年の年末商戦をにらんで
松下のこの動きに、ただちに敏感に反応したのがシャープの亀山第2工場の生産能力増強だ。同工場は昨年8月から稼動しているが、第8世代と呼ばれる大型サイズの液晶パネル基板を作れる世界で唯一の工場だ。その稼働で昨年末から42型以上の大画面テレビの販売を本格的に開始していた。1月12日の生産能力増強の発表では、7月に液晶パネル基板ベースで月産3万枚から6万枚に引き上げるとした。42型テレビ換算で年産576万台の規模になる。さらに08年中には月産9万枚まで生産能力を増強する計画で、07年以降の投資額は合計で2,000億円となる。
12日の記者会見でこれを発表した町田勝彦社長は「昨年の年末商戦では日米ともに42型や52型の大型サイズが飛ぶように売れ、供給不足を起こしてしまった。今回の増強で、今年の年末商戦は品不足を回避できる」と生産増強前倒しの狙いを説明した。
シャープはまた、7月にポーランドとメキシコの工場で、日本から輸出したパネルを使ってテレビの組み立ても始め、今年の年末商戦にむけた量産体制を整える。同社の07年度の液晶テレビ販売計画は06年度比50%増の900万台。付加価値が高い42型以上の大画面サイズの割合を06年度の12%から40%に高め、1台あたりの単価下落を15%にとどめる考えだ。