犬や猫などの動物を虐待して、それを公言した人が公開して非難を浴び、ひいては逮捕に至る例が相次いでいるが、今度は「鳥獣虐待疑惑」で「祭り」になりつつある。ミクシィ日記でスズメをゴキブリホイホイで捕まえる様子を公開し、「早く逃がして!」といった非難が殺到しているのだ。
これまでに動物虐待を公言して問題になった例としては、福岡市東区に住んでいた男が、猫のしっぽや耳を切って殺害した写真をウェブサイトに公開したとして、02年8月に動物愛護法違反の罪で逮捕・起訴されたケースや、06年12月に、茨城県水戸市の男が同容疑で逮捕・起訴されたケースなどがある。有名人の例では、直木賞作家・坂東眞砂子さんが06年8月に、新聞の連載で「猫殺し」を告白して騒動になったことが知られている。
「こんなにスズメが馬鹿だとは思わなかった」
ミクシィ日記にはスズメの無惨な姿が…
そんな中、今回問題となっているのは、自身を静岡県浜松市在住と紹介しているミクシィユーザーが、05年6月24日に書いた日記だ。内容はこうだ。
「我が家で飼っている鳩の餌をスズメが食べに来るのが気に入らなくて、ゴキブリホイホイを仕掛けてみたら、捕れる捕れる。こんなにスズメが馬鹿だとは思わなかった。よし! 明日もやってみよう」
こんな文章とともに、ゴキブリホイホイに引っかかった無惨なスズメの写真が2枚アップロードされている。日記が書き込まれてから1年半以上、そのままにされていたのだが、どういうわけか、07年1月18日夜になって、この行為を非難するコメントが殺到、こんな書き込みが相次いだのだ。
「はやく逃がして!!」
「ひどい… 鳩も雀も命があるのに…残酷すぎます」
現在、書き込みの数は、168に達している。
このユーザーの日記は06年11月21日以来更新されておらず、プロフィールのページには「最終ログインは3日以内」と表示されており(1月19日現在)、ここ数日はミクシィにアクセスしていないことがうかがえる。
鳥獣保護法に違反する疑い
そんな状況にもかかわらず、1月19日昼過ぎになって、日記の写真だけが削除された。日記を掲載したユーザーがミクシィにログインしていないことから、ミクシィの事務局が削除したものと見られている(日記についたコメントには「事務局に通報しました」という声が多い上に、ミクシィの規約では「グロテスクな写真」などの掲載を禁じている)。
なお、今回問題になった「スズメをゴキブリホイホイで捕獲する」という行為だが、鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)に違反する疑いが強い。同法では許可を受けずに鳥獣を捕獲することを禁じており、環境省の鳥獣保護業務室でも、「今回のケースは、基本的には法令違反なのではないか」と話している。ちなみに、罰則としては「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が定められている。もっとも、同省では、
「今回の問題が起こった場所が、別途定められる『狩猟可能区域』だったのか、時期が『狩猟期間』に該当するかなど、個別具体的に検討してみないと何ともわかりません」
とも話している。