市民参加型ニュースサイト「オーマイニュース」の鳥越俊太郎編集長が辞任する、とニュースサイト「JANJAN」が2007年1月11日に報じたことを受けて、オーマイニュースは同日、「事実関係に誤りがある」とする文章をJANJANに送付、記事の削除と謝罪文の掲載を要求した。JANJAN側は「記事は十分な取材に基づいている」と譲らないが、鳥越氏は「辞任説」を否定している。
JANJANが「鳥越辞任説」を報じた後にオーマイニュース側がJANJAN編集部宛に「事実関係に間違いがある」と電話で指摘、その後に改めてファクスで同趣旨の文章を送信した。オーマイニュースのウェブサイトにも、「一部のインターネットメディア記事について」というタイトルで、JANJANの名前は出ていないものの「記事は事実無根」とのコメントを掲載した。
記事を執筆したJANJAN編集部の増田美智子さんによると、鳥越氏に電話取材して「辞任を申し入れた」というコメントを得たといい、オーマイニュースに対しては「記事は十分な取材に基づいており、(記事削除・謝罪文の掲載という)要望には添いかねる」旨の返答をしたという。増田さんはJANJANを運営する「日本インターネット新聞社」の社員だが、記事は「市民記者」として執筆した、としている。
以前から「後任を探しておいてください」という依頼をしていた
鳥越編集長、「辞任説」を否定するコメントを発表
だが1月12日夜になって、オーマイニュースのコメントに追記する形で、鳥越編集長自身の名前でコメントを掲載、「オーマイニュース編集長の職を退く意向を持っていませんし、解任されるという話も聞いていません」と、「辞任説」を、改めて全面否定した。JANJANの記事では、鳥越編集長が
「おもに体調による。ガンの手術のあとで、あまり無理しない方がよいと医者から言われており、私の方から(辞任の)申し入れをした。辞めるのは13日だが、実は本日(11日)から検査入院している」
と発言した、としているが、正しいのは「体調が万全の状態になく、現在(11日より)検査入院している」という箇所のみだ、としている。その一方で、以前から「後任を探しておいてください」という依頼をしていた、ということも明かしており、そう遠くない時期の編集長交代も示唆している。
最後に、「今回の報道がなされたことを非常に残念に思っています」とした上で、以下のようにJANJANを皮肉っている。
「今回の報道を踏まえ、改めてオーマイニュースにおいて『信頼』と『責任』ある情報発信をしていかなければいけないと感じさせられました」
この鳥越編集長のコメントについて、JANJAN編集部では「担当者が帰宅しているので対応できない」と話している。
なお、J-CASTニュースでは、鳥越編集長がコメントを発表する直前に、オーマイニュース編集部に対してコメントを求めていた。
(質問1)
コメントの中では、最初に「鳥越編集長辞任説」を書いた「JANJAN」の名前が登場していない経緯をお知らせ下さい(確かに複数メディアが「鳥越編集長辞任説」を報じていますが、いずれも「JANJAN」を引用しています)。
(回答1)
オーマイニュースのサイト上で今回の件についての見解を発表する以前から、貴社サイト「J-CASTニュース」などメディアからのお問い合わせがございました。そのため、今後さらに同様の報道がなされる可能性が高いことを考慮し、「一部のインターネットメディア」と表記いたしました。
(質問2)
JANJANの記事では「鳥越編集長に直接取材した」とありますが、オーマイニュース様が「事実無根」を主張しておられる理由についてお聞かせいただければと存じます。単に「編集部では『辞任説は聞いていない』から」ですか。それとも、鳥越編集長なりオ・ヨンホ社長なりに「辞任はしない」旨の確認を取った上でのコメントでしょうか。
(回答2)
鳥越編集長及びオ・ヨンホ代表には、「1月13日で鳥越編集長が辞任する」ことを骨子とした今回の報道が事実ではないことを確認しております。先ほど、今回の報道に関する鳥越編集長のコメントを「オーマイニュース」サイト上に掲載いたしましたので、ご覧下さい。
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000004521