アミューズメント・ディスカウントストアのドン・キホーテが、DIYの老舗ドイトを会社分割したうえで、同社の100%子会社化する。ドンキがドイトの第三者割当分割増資を引き受ける形での経営支援を検討していたが、これから一歩踏み込んだ。新ドイトの分割登記は2007年1月31日の予定だ。
ドンキは、「ドン・キホーテ」「パウ」「ピカソ」の3タイプの店舗を運営し、多様な商品とディスカウント、ユニークな店舗づくりで高い集客力をもつ。06年11月30日現在でグループの店舗数は130カ店。同12月6日の決算予想によると、客単価の上昇から増収増益が続く。同年8月からは、「パワーコンビニ 情熱空間」を展開し、新たな事業領域を拡大している。
ホームセンター事業に進出は否定
ドンキ、ドイトを100%子会社化へ
ドンキの高橋光夫専務は、J-CASTニュースの取材に、「ホームセンター事業に進出するわけではない」と、事業進出については否定。しかし、今後の同様の案件があった場合には「相手があることなので、なんとも言えないが、そのときには検討することになる」と話した。
また、ドイト従業員の雇用については「わたしどもは店舗開発などを見ていくが、ドイトの実際の店舗運営はこれまで通り、いまの従業員の皆さんにやっていってもらう」とした。
ドイトは非上場。1972年12月にDIYの草分けとして創業して以来、一貫して専門性重視の店舗展開や商品戦略に基づいて事業展開を図ってきたが、競合激化と、店舗面積の大型化とそれに伴う商品の多様化の流れについていけず、業績が低迷していた。ドイトの広報担当者は、「ドン・キホーテは上場企業なので情報開示の義務があります。当社がお話しすることでなんらかの影響を及ぼすとご迷惑になりますので、コメントは控えさせてほしい」と語った。
ドイトの売り場面積の広さに注目
11月30日にドンキ、ドイト両社が発表した「経営支援に関する契約書締結」では、ドンキがドイトの第三者割当分割増資を引き受けることを軸に調整していた。会社を新設しての子会社化は、ドンキとドイト、りそな銀行などの金融団などとの協議したうえでドイトが決定。新ドイトが、旧ドイトの現預金や店舗等の固定資産などの優良資産を引き受けることで事業を継承。いわゆる、「バッド会社」が金融団の有利子負債を引き継ぐ。新ドイトから普通株式702万5000株をドンキが譲り受けて、この「バッド会社」を支援することで有利子負債を解消する仕組み。
ドンキの高橋専務は、ドイトの売り場面積(1店舗あたり平均4,000平方メートル)がドンキの売り場面積(同約1,100平方メートル)の約4倍になることに着目し、「ドイトにはこれまでのDIYの専門性を生かした商品をよく吟味して残しつつ、空いたスペースに日用品や台所、お風呂場といった家庭用品など、ドンキでも顧客ニーズの高い商品を揃えていきたい。当社とDIY事業との融合で、相乗効果をだしていきたい」と話している。