短大生バラバラ殺人 大新聞は触れない「おぞましい部分」

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   東京・渋谷区での短大生バラバラ殺人事件が明らかになってから1週間。加害者が被害者の実の兄だったことから、大手新聞では、家族間の関係のもつれを中心に報じているが、週刊誌や夕刊紙では、事件の猟奇的で「おぞましい部分」にスポットを当てている。

   事件が発覚したのは、2007年1月3日22時半ごろ、東京都渋谷区幡ケ谷の歯科医師、武藤衛さん(62)が「自宅で娘の遺体が袋に入っている」と代々木署に届け出たのがきっかけだ。武藤さん宅の3階からは、長女で短大生の亜澄さん(20)のバラバラの遺体が入ったポリ袋3個が見つかった。翌4日には、亜澄さんの次兄で、歯科医を目指して3浪中だった勇貴容疑者(21)が死体損壊容疑で警視庁に逮捕された。

「妹から夢がないとなじられた」からなのか

週刊誌や夕刊紙には「おそましい」見出しがならぶ
週刊誌や夕刊紙には「おそましい」見出しがならぶ

   大手新聞では、「妹から夢がないとなじられた」ことがきっかけで勇貴容疑者が激高、犯行に至った、などと報じている。その背景として、同容疑者の家は2代続けての歯科医で兄も大学の歯学部に通っているなか、同容疑者は受験に3度失敗していることを指摘している。容疑者が「鬱屈した受験生」であったのに対して、亜澄さんは女優を夢見て世田谷区で演劇の舞台に立つなど、実際に芸能人への道に近づきつつあったという。このような、加害者と被害者の置かれた環境の違いが家族内の不和を生み、それが事件の引き金になったのではないか、という見立てが大勢だ。

   その一方で、夕刊紙や週刊誌は、この犯行の異常性にスポットライトを当てている。例えば1月5日には「日刊ゲンダイ」が1面トップで「バラバラ殺人 乳房抉り取る」という見出しで、遺体から両乳房が刃物で切り取られていた、と報じたほか、同日の「夕刊フジ」では、遺体は21箇所に切断されていた、などとしている。また、1月9日発売の「日刊ゲンダイ」では、容疑者が遺体から下腹部を切り取った上、はぎ取った下着を予備校の合宿に持参していた、と報じている。

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