ライブドアより悪質? 日興コーディアルの甘い処分

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   ライブドア(LD)の粉飾事件で幕を開けた2006年は、日興コーディアルグループの不正決算で閉じた。しかし、100%子会社に発生した184億円の利益を計上しながら、損失の方は隠した日興の責任が課徴金だけというのには納得がいかないという声が、エコノミストや証券アナリストの間で日々高くなっている。「事件の本質は 、堀江社長が逮捕されたLD粉飾決算よりもはるかに悪質なのだから、日興は刑事告発されるべきであろう」と、口を揃える。

日興シティグループ証券にも疑惑?

   LD、村上ファンドなど、2006年に証券市場を騒がせた事件の裁判では、日興グループと関連会社の名前が取り沙汰される場面が少なくなかった。たとえば村上世彰被告のインサイダー取引裁判では、検察側証拠物件の中に「日興シティグループ証券を使って LDにニッポン放送株買収のための資金調達を提案した」とする村上被告が出したプレゼンテーション資料が出てくる。

   日興シティグループ証券でも、2006年後半は証券取引法違反「疑惑」の火種がくすぶり続けた。
   安倍政権の経済ブレーンとして知られる日本株ストラテジストが、「安倍晋三の経済政策を読む」という本を9月に発行したが、発売と前後して週刊文春などが「本書の内容はインサイダーに当たるのではないか」とかみついている。しかし、この本では、現役の安倍晋三首相との対談を引用する形で、安倍政権が最大6年の長期政権となった場合に「メリットを受ける産業と企業」として、具体的に企業名を挙げている。これは、インサイダーというよりも、証券取引法が禁じる「風説の流布」に抵触するのではないか、と識者がネットなどで指摘している。

「経済政策を語るという政治的な領域を超えて個別株の推奨に結びついているので、相場の変動を図る目的で風説を流布したと言えるのではないか」(銀行エコノミスト)
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