07年に評価されるSNS 非日常性と「穏やかさ」
-野村総合研究所 山崎秀夫氏インタビューVol.2-

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   2006年はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が流行った年でもあった。日本では最大の「ミクシィ」に加え、06年11月にはソフトバンクが世界最大のSNS「MySpace(マイスペース)」の日本語版サービスを開始した。こうしたなかで、日本のSNSはどうなっていくのか。前回に引き続き、野村総合研究所の山崎秀夫さんに、J-CASTニュースが聞いた。

――2007年、あるいは数年後、SNSの先行きを占うポイントを教えてください。

07年のSNSについて語る野村総研の山崎秀夫さん
07年のSNSについて語る野村総研の山崎秀夫さん
山崎 2007年は非日常性、「仮想の世界」が再評価されるんじゃないかと思っています。米国のバーチャルコミュニティ「セカンド・ライフ(Second life)」なんかは典型的で、要するに「アバター」というネット上の仮想世界の化身となって、自分たちの仮想の街、仮想の家を建てる。そこで社交をするというようなことをします。この「仮想世界」の流れが、日本に来るんだろうと思っています。日本ではティーンが参加するチャンスはなかったんですが、最近、携帯電話にゲーム的要素を取り入れたSNS「モバゲータウン」が出てきました。これも、「セカンドライフ」的な流れに沿っていますね。富裕層向けSNS「Nileport」も非日常性を取り入れている。非日常性を取り入れたSNSは、人間関係をスムーズにして行くという面があります。それがポイントです。

――では、最近日本に上陸した「MySPACE」は成功するのでしょうか。

山崎 「MySpace」は、日本のミクシィグリーに比べ、「毛づくろい」の仕方がちょっと違うんですよ。日本のミクシィなどは、各参加者が書く日記、簡易ブログの上で毛づくろいしてコミュニティができているが、「MySpace」はプロフィールの上で毛づくろいをしている。そこが違います。文化的に日本に合うのかという点があるのは事実です。しかし、プロフィールのカスタム化・動画・音楽だとか、マルチメディアの感性に訴える要素は圧倒的に上です。成功するとすれば、孫さん(ソフトバンク)がどこまで本気になるか、つまり「携帯電話戦争」にどこまで巻き込めるか、ということでしょうね。孫さんが「MySpace」と組んだ理由は、ナンバーポータビリティ(番号持ち運び制)がらみで、「MySpace」の要素を全部ケータイにつないでいくつもりなのでしょう。最近ではケータイ電話戦争がSNS戦争に近い状況になってきて、ドコモが楽天の「らくトモ」をやり、KDDIが「EZGREE」、そして孫さんのソフトバンクが、「Yahoo!Days」「MySpace」というように今ではなっている。そこで、通信料ではなく、広告費など他の収益で稼ぐために滞在時間をどれだけ長くするかが重要になって来るだろうと予想しています。
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