トヨタ、フォード環境で協力 「日本車たたき」回避が狙い

米ビッグスリー、トヨタ輸出急増に不満募らせる

   米国では原油高の影響から燃費が良い小型車の需要が高まっており、トヨタの対米輸出は06年通年で前年比44%増の127万台と、過去最高を更新する見通し。一方、不振が続く米ビッグスリーの経営トップは11月の米中間選挙後、ブッシュ大統領と会談し、日本車メーカーに有利な円安が続いていることを批判するなど、トヨタの輸出急増に不満を募らせている。
   今のところ米政府・議会や世論に目立った日本メーカー批判は起きていないが、フォードの危機が深刻化すれば、いずれ不満の矛先が日本勢に向かう可能性もある。トヨタとしては「敵に塩」を送ってでも、摩擦の芽は事前に摘んでおきたいのが本音だ。
   トヨタとフォードは80年、一度は米国での小型車生産で合意したが、車種で折り合わず破談。00年には奥田碩会長(当時)とジャック・ナッサー社長(同)が会談したが、提携には至らなかった経緯があり、今回、具体的な成果が上げられるか注目される。

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