大晦日夜のテレビ番組といえば「NHK紅白歌合戦」だったのが、いつの間にか「K-1」「PRIDE」などの格闘技が定番になった。04年は瞬間視聴率で「紅白」を抜くなどの人気集めたが、06年12月31日は「PRIDE」の地上波放送が中止になった。しかし、大晦日の「PRIDE」試合会場には、05年とほぼ同じの約50,000人の観客が押し寄せるというのだ。
06年12月27日。大晦日に行われる「PRIDE男祭り2006」の公開記者会見が、東京・渋谷109前の特設ステージで行われた。壇上にはバルセロナオリンピック柔道金メダリストの吉田秀彦さんなど4人のファイターと、高田延彦統括本部長が登場し挨拶をした。
05年並みのチケットの売れ行き
「プライド」、今年もほぼ満員御礼!
事前告知をしなかったにもかかわらず、約3,000人のファンが殺到し、開始から10分で渋谷警察署から中止要請が出た。試合会場の「さいたまスーパーアリーナ」には05年に49,801人の観客が詰め掛けたが、今年も「昨年に匹敵する」チケットの売れ行きなのだそうだ。
「PRIDE」を運営するDSE広報局はJ-CASTニュースの取材に答え、
「昨年までは、フジテレビさんで放送があり、イベントの告知やプロモーションをかなりやっていただきましたが、今年は全くできていない中で、昨年とほぼ同じくらいのチケットの売れ行きなんです。PRIDEを見て年を越すのがファンの方の習慣になっているのだと思います」
と話した。
大晦日の「PRIDE 」は『打倒 紅白歌合戦』を掲げ、フジテレビ系で03年から始まったが、フジテレビは06年6月にDSEとの契約を打ち切り、番組の放送を取りやめることを発表した。そのため軽量級の「PRIDE武士道」を含め全ての番組が地上波から消えてしまった。その理由を、DSEと暴力団の関係にあると一部のマスコミが報道したが、DSEはこの報道について全面否定している。
06年の大晦日に「PRIDE」を自宅で見たい場合は、スカパーのPPV放送か、有料のインターネット放送を申し込まねばならない。DSE広報局は、
「地上波で放送できないかと(フジテレビ以外の局も含め)ギリギリまで交渉ましたが、願いはかないませんでした。来年はもちろん、地上波で放送できるよう、引き続き交渉をしていきます」
と話す。
格闘技ファンのあいだでは、今年の大晦日「PRIDE」放送する局は、テレビ朝日ではないか、と話題になっていた。大晦日に何を放送するか、公表が一番遅れていた民放がテレビ朝日だったからだ。ミクシィのコミュ[PRIDE世界制覇計画♪]にも06年11月22日に「PRIDEは永久に不滅です!たぶん、テレビ朝日でやるんでしょうけど」などと書かれたトピックが立っていた。
テレビ朝日、放映を否定
テレビ朝日広報は、J-CASTニュースの取材に対し、
「うちがPRIDE?またぁ~、2ちゃんネタで電話してこないでよ~。それは誤報というか、誤報以前の話ですよ」
と話した。「PRIDE」の地上波放送の再開は厳しそうだ。
まだ格闘技ファンの間では「PRIDE」の知名度は絶大だ。しかし、このまま地上波放送ができないままだと、やがて忘れられていくという心配が、多くのブログで書かれている。
「今日は僕が好きなPRIDEがいかにマイナーなものになったかを思い知らされるような事があった。(中略) 榊原社長!地上波復活は来年の必須ッす!もう、ホント辛かったッす・・・」「TVの前から姿を消したPRIDE。大会のたびに、直前になってスカパー加入を検討するも、加入の仕方が良くわからず、タイムオーバー・・・ならば、生観戦すれば良いじゃない?といっても、なかなか都合がつかないヨ!」「フジテレビの手を離れて地道に活動していく方が、長く続けるためには、PRIDEにとっては実はよかったのかもしれません」