白、黒を付ける2分法が危ない
それではどうして「ニセ科学」を人々が信じてしまうのか。「ニセ科学」は小気味良く白・黒を付ける2分法になっている。
「ニセ科学は、科学よりも科学らしく見えているのかもしれません。確かに単純な2分法で割り切れるなら簡単ですが、しかし世の中はそんなに単純にできていません。その単純でないものをきちんと考えるのが重要。それを考えるのが本来の合理的思考、科学的思考なんです。2分法は思考停止にほかなりません」
菊池教授が「ニセ科学」考えるきっかけになったのはオウム真理教。「ニセ科学」を利用したカルトだったことから、あの事件を忘れるな、と呼びかける意味もあるのだという。菊池教授はJ-CASTニュースの取材にこう答える。
「2分法で簡単に結論だけを求め、あまり考えずに受け入れちゃうという風潮が、社会に蔓延しつつあるように思うんです。いい話だからいいじゃないか、ということだけではダメで、私たちは合理的思考のプロセスを大事にすべきなんです。合理的に考え、おかしいことはおかしいと判断できなければならないのです。そうしなければ、ポピュリズムに繋がっていく。そんな危ない時代にはいっているような気がするんです」。