「金属ウラン」は9グラムで55ドル
このサイトのトップページの「Chemicals & Metals(化学物質と金属)」という項目をクリックすると、「ベリリウム」「カルシウム」「水銀」など、中学校で習う周期表に書いてある物質の名前がズラリ。ページの構成自体は、よくある医薬品の通販サイトと、あまり変わらない。もちろん商品の写真も掲載されており、物質によって形状もさまざまだ。その中に、今回問題視された物質のひとつである「金属ウラン」もあった。「現在売り切れ中」との表示があるが、価格は9グラムで55ドル(約6,400円)だそうだ。これを、今回の島根大学の研究員が取得した0.128グラムに換算すると、わずか91円だ。
ちなみにこのサイトでは、「私たちが売っているものの中で免許が必要なものはありませんし、私たちが売っているものを米国で買うことは合法です」との告知文があるが、米国外の発送はしていないそうだ。その理由としては、手続きの煩雑さや、税関で没収されてしまうことなどを挙げ、「受け取れないものに対してお金を払うのは、普通は、あまり嬉しくないものです」としている。
ある科学ジャーナリストは、今回の騒動で登場した物質について、
「この種類のものであれば、ちょっと大きい大学であれば、どこにでもあるもの。安全性については、密閉されていれば、この量であれば、すぐに危険とは言えない」
と話す。このように、今回は特に危険ではなかったようだが、核燃料物質といっても購入はそれほど難しくはない。さらに、「今回の騒動で登場した程度の量では危険ではない」ということであって、ウェブサイトで大量に購入してしまえば、危険が及ぶ可能性も十分ある。