ボクシングWBA世界ライトフライ級のタイトルマッチ(12回戦)が2006年12月20日に有明コロシアムで行われ、亀田興毅が3対0の判定で、挑戦者フアン・ランダエタを下した。「疑惑の判定」とまで言われた勝利から約4ヶ月、当然KOでのリベンジが期待されていたはずだが、フタを開けてみれば最初から「判定ねらい」とも思える試合運び。ポイント稼ぎに終始した試合に、失望の声が上がっている。
亀田の「圧勝」が報じられたが、ファンは失望
2006年12月21日のスポーツ各紙は1面で亀田の勝利を伝えた。「ちゃんと勝った 亀田」(日刊スポーツ)「文句なし3-0判定 興毅涙」(デイリースポーツ)「文句なし『140日戦争』判定決着!!」(スポーツ報知)など、亀田の「圧勝」を伝える見出しが並ぶ。しかし、「圧勝」報道の裏で、「ポイント稼ぎ」に終始した試合運びを冷ややかに見る報道もある。
半数以上の観客が試合内容に「物足りない」
日刊スポーツは「変身興毅 ファンは『物足りない』」と題し、
「豪快なKOを期待したファンの意見は賛否両論だった。日刊スポーツの50人会場アンケートで98%が『亀田の勝利』を支持したが、半数以上の観客が試合内容に『物足りない』と注文を付けた。勝利を喜びながらも、最大の魅力だった『ケンカ』を返上した戦いぶりにファン心理は複雑だった」
と報じた。
また、スポーツニッポンのアンケートでも、最も多かった回答は「もう亀田の試合は2度と見ない」(24.0%)で、亀田にフルマークをつけたジャッジもあったことから、判定について「やっぱりおかしい」とした意見も15.1%に上った。
さらに、06年12月22日付け日刊ゲンダイは「亀田興毅の見どころゼロのつまらない初防衛戦」と題し、
「前回の初回ダウンがよほどこたえたのか、この日の亀田は強引な突進が影を潜めた。(中略)観戦した元JBC(日本ボクシングコミッション)審判員の森田建氏も、『はっきり言って面白くない試合だった』と苦笑している。ただ勝っただけの初防衛戦だった」
と酷評した。