学費振込詐欺で揺れる名門「代々木アニメ学院」

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   代々木アニメーション学院のホームページで、学院長である落語家の三遊亭楽太郎さんが直筆で「困惑しております」「誠に不本意であります」と、怒っている。表題は「学費振込詐欺に対する楽太郎学院長の撤回文」。新手の振込め詐欺なのか。

   アニメ学院HPのトップには「学費振込詐欺にご注意ください」として、「昨日、入学を希望されている皆様に振込先変更の手紙が届いていると思います。そちらに記載されている口座は当学院とは一切関係のない口座になります」と書かれている。楽太郎学院長直筆文によると、「振込先変更の手紙」は、楽太郎学院長名で出されているが、内容について「事前、事後にも何ら報告もありません」という。

経営する会社は民事再生法申請中

ウェブサイトには学院長の「困惑しております」というコメントが掲載されている
ウェブサイトには学院長の「困惑しております」というコメントが掲載されている

   アニメ学院によると、2006年12月初旬、来年度入学予定者に文書が送られた。入学金を「学校法人大矢学園」に振り込めというもので、同学園の振込先が明記され、楽太郎さん名と印章が押されていたという。大矢学園というのは1977年に設立され、「代々木アニメーション学院」などを設置した当の法人なのだ。だとすると、どうして「詐欺」になるのか。

   事情はこうらしい。

   アニメ学院の運営は大矢氏が代表をしていた株式会社代々木ライブ・アニメイションがあたっている。東京本部校の他、全国に11校を展開し、90年代の最盛期には約5200人の生徒を有する歴史と伝統ある業界大手だ。だが、帝国データバンク情報によると、過大な広告宣伝費などで収益を悪化させ、さらに経営者の手形乱発で資金繰りが悪化し、06年12月6日に民事再生法の適用を申請に至った。

   それに先立つ06年10月には、大矢氏が代表を退任して経営陣の刷新がはかられている。その時点で、アニメ学院側と大矢氏、そして大矢学園との関係は完全に切れている。アニメ学院のHP上でも大矢氏は「一切関係無し」としている。
   だから、入学金振込先に「学校法人大矢学園」が指定されていたのは詐欺になるという。

今のところは金銭被害なし

   大矢氏に代わって代々木ライブ・アニメイション代表取締役となった石川良一氏は、

「今までの経営方針は学費や経費など金銭の動きも分からず全く不透明だった」

   と、前経営陣をHP上で強く批判している。
   経営陣の一新し、経営健全化を図っているさなか、盤石ではない状況につけこみ今回の学費振込詐欺が起きた。J-CASTニュースの取材に対し、アニメ学院副学院長である中広氏はこう話す。

「振込詐欺の文書を10数通回収しました。それは入学予定者にアニメ学院の封書で、入学通知書と同じ書式を使って送られていました。悪質な詐欺としかいいようがない」

   幸い、金銭的な被害はまだ報告されていないという。警察への告発も考えてはいるが、現在は事実確認の段階だという。

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