本間税調会長スキャンダル カネと女の「ドロドロ」

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   本間正明政府税調会長(大阪大学大学院教授)が、東京の官舎に愛人を住まわせていたと報じられた問題で、本間氏包囲網が狭まってきている。自民党内からは「イメージは良くない」などと批判発言が相次ぎ、町村信孝氏に至っては「クビを取るのか取らないのか分かりませんけれども、ひとつ、わかりやすい対応を」と、暗に辞職を迫った。さらに、スキャンダルが発覚した背景として「財務省によるクーデター説」を唱える週刊誌も登場、「カネと女と権力闘争」が入り混じって、ドロドロの様相を呈してきた。

   この問題の発端は、「週刊ポスト」2006年12月22日号(首都圏では12月11日発売)に掲載された「本間正明税調会長 『愛人と官舎同棲』をスクープ撮」という記事だ。本間氏が住む、JR原宿駅から徒歩5分の立地にある「東郷台宿舎」から、愛人が買い物に出かける様子や、本間氏と愛人が銀座三越でデートを楽しむ様子などを報じている。

「誠実な交際をしている」などと釈明

「官邸主導」本間体制はどうなる?
「官邸主導」本間体制はどうなる?

   記事中には本妻と愛人に取材、本妻は

「(本間氏と愛人が東京で一緒に住むようになってから)3~4年になると思います。(本間氏が大阪の家に)帰ってくることはめったにありません。会うのは子どもの結婚式の時や孫が生まれた時ぐらいです…」
「(愛人問題について)夫婦間では何も具体的に話し合っていません。もし、あちら(夫)からそう言ってくれれば話します」

などと話していた。一方の愛人の方は、本間氏と愛人関係にあることは認めた上で、「本間の方は、奥さんとは離婚調停中です」などと、本妻側と矛盾した発言をしている。

   報道を受け、本間氏は12月13日に記者会見を行い、この問題について、

「(愛人の女性とは)誠実な交際をしているところです。妻とは離婚協議中で基本的な合意が成立しています」

などと釈明したが、その後も、自民党内から批判が噴出している。

町村信孝・町村派会長「美しい国らしからぬ行為が散見される。クビを取るのか取らないのか分かりませんけれども、ひとつ、わかりやすい対応を」(12月14日)
片山虎之助参院幹事長「イメージが悪い。権威ある会長なので、大変残念」(12月15日)
津島雄二税制調査会長「官舎を全部売ってしまえという報告を書いた1人だ。胸に手を当てて考える時もあるのではないか」(12月17日)

増税を最小限にする政策に財務省側が反発?

   「官邸主導」として始まった「本間体制」だが、官邸側の反応はというと、塩崎恭久官房長官が12月18日の記者会見で、宿舎の入居自体については

「経済財政諮問会議の民間議員として入居したので、ルール上は問題ない」

とした上で、愛人問題については

「プライバシーはプライバシーで、それ以上は言うつもりはない」

と突き放した。それでも、

「税のあり方を議論する場の代表としてどうなのか、本人が考えることだ。実態を本人に説明してもらうことが大事」

と、説明責任を果たすことを求めた。

   そんな中、「週刊現代」12月30日号(首都圏では12月18日発売)では「安倍晋三内閣を倒せ! “平成の陸軍” 財務省のクーデターが始まった」という記事を掲載している。記事では、関係者の証言を複数引用し、増税による財政再建政策を目指す財務省に対して、本間氏が増税を最小限に抑えようとする「上げ潮政策」を取ろうとしたことに財務省側が反発、スキャンダルをリークした、などと報じている。さらに、「国民不在で自らの利権のために倒閣すら画策する財務省こそ、『平成の陸軍』と呼ぶにふさわしい」と断じている。

   確かに、スキャンダルの発端になった「週刊ポスト」では「(本間氏の官舎の)同居人として、本妻である本間夫人の名前が届出されています」という証言が紹介されているが、このソースは「財務省高官」とされている。財務省の複数の関係者が週刊ポストに情報をリークし、スキャンダルを暴かせた可能性はありそうだ。「週刊現代」が主張する「財務省によるクーデター説」も、あながち荒唐無稽とは言えない。

   また、同日、テレビ朝日のワイドショー「スーパーモーニング」が本間の釈明会見後に本間氏の本妻に直撃取材した様子が放送された。基本的には「週刊ポスト」が報じた内容と同じなのだが、会見で「離婚について基本的な合意が成立した」との本間氏の発言については、このように反論している。

「いえ、まだ今まで(離婚協議は)全然(やっていない状態)だったので、それで私、(弁護士の)先生のところにお願いに行きました」

本間氏の嘘が改めて明らかになった形で、本間氏の立場はさらに苦しくなりそうだ。

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