琉球大の「遅刻で罰金100円」 教授処分大騒動の「なぜ」

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   大学などの教育機関で、自分の地位を利用して学生にいやがらせをする「アカデミックハラスメント(アカハラ)」が問題になっているが、ちょっと珍しい理由で、大学教員に「アカハラ」だとして処分が下った。舞台は沖縄県唯一の国立大学である、琉球大学だ。

   処分を受けたのは、同大学の工学部機械システム工学科に所属するN教授だ。問題視されたのは、N教授の「罰金政策」。地元紙「琉球新報」が伝えるところによると、N教授は自身が担当する必修の科目で、05年の後期の授業から、遅刻した学生に前に出てくるように指示し、100円を徴収。罰金を払った学生は「遅刻」として受理され、払わない場合は「欠席」として扱っていたという。

学生の目の前で教員同士が口論

公式ウェブサイトには、特にこの件についての説明はない
公式ウェブサイトには、特にこの件についての説明はない

   05年11月に、受講者から大学に相談が行き、事態が発覚。大学側はこれを問題視し、調査を開始した。06年7月6日には、大学側が講義を受講していた学生を対象に説明会を実施し、罰金に応じないよう呼び掛けた。その後も、「(N教授から)再発防止の確約が得られなかった」として、06年10月から始まった06年度後期授業からは、N教授を「罰金政策」が行われていた科目の担当から外した。

   その結果、地元紙「沖縄タイムス」によると、大学側の措置を不服としたN教授は、06年10月25日、別の教員が担当している同科目の授業に「乱入」。学生の目の前で教員同士が口論をするに至り、授業は途中で打ち切られ、休講となった。N教授は沖縄タイムスに対して、

「自分の講義を聴きたい学生もいるはずで、話し合うために教室に行った。授業妨害のつもりはない。大学が教授から強制的に講義を取り上げるのは教育権の侵害だ」

   などと主張している。

   このような状況が続くなか、琉球大は06年12月12日、非公開の「教育研究評議会」を開き、N教授を停職1ヶ月とする懲戒処分を下した。

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