ディーゼルでも世界制覇 トヨタの壮大なる「野望」

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米国の排出ガス新規制は日本の3分の1という厳しさだ

   だが、09年を境に日本・欧州・米国の主要市場で排出ガス規制がかなり厳しくなる。この排ガス規制をクリアーできない企業は、市場から転落してゆく。とくに内容が厳しい米国の新たな環境規制「Tier II Bin5」への対応が大きな関門だ。現在、ディーゼル車の排出ガス規制が世界で最も厳しいのは日本だが、米国の新規制は排出ガス中のNOx濃度を日本の3分の1にまで引き下げる。
   その規制にドイツ勢は、ダイムラークライスラーが持つ「尿素水」を使った手法で対応しようと結束した。だが難点もある。燃料を給油するように尿素水を給水しなければならず、尿素水を供給するインフラ整備が問題だ。
   ところがホンダが、尿素水が不要となる次世代ディーゼルエンジン技術を開発した。ホンダは新規制をクリアした直列4気筒の2.2リットルディーゼルエンジン搭載車を09年に米国で発売するだけでなく、この次世代技術を用いた3リットルV型6気筒エンジンの開発も進めている。

   米国市場でのエコカーの称号は、ハイブリッドとディーゼルが争うことになりそうだ。トヨタとしては、環境技術でドイツ勢はもちろん、ホンダに負けるわけにはいかない。そこで新規制に対応したV型ディーゼルエンジンの開発が必要不可欠となった。

   V型エンジンは、米国市場では高級車に搭載されるというイメージが浸透している。トヨタはいすゞとの提携でV型の技術開発のハードルを下げ、その完成したV型ディーゼルエンジンを米国市場で発売するSUVに搭載する。さらにV型ディーゼルエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド車をレクサスブランドから発売し、エコカーNo.1の座を守る狙いだ。

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