みずほ証券VS東証 誤発注裁判の行方混沌

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誤発注のみ、株取引を取り消すことができることに

   だが、これらの対策を講じても、想定を超える誤発注が起きる可能性は否定できない。このため、日本証券業協会は11月、誤発注で成立した株取引の約定に限り、取り消すことができるよう全国の証券取引所に要請した。取引所と証券会社が結んでいる現行の契約では、誤発注でも一度成立した株取引の約定は取り消せない仕組みになっている。みずほ証券の誤発注では、東証が天災などの緊急時に適用する例外的な規定を初めて用いて、強制的に精算する「現金決済」を行った。

   東証は証券業界の要請に応え、約定を取り消す制度を来春にも新設するため、誤発注から丸1年たった12月8日に「約定取消に関するワーキンググループ」を発足させ、遅ればせながら検討を開始した。東証は「誤発注だからといって、何でもかんでも約定を取り消せるわけではない」と漏らすが、誤発注の最終的な解決手段ともいえる約定取消制度を完備しなければ、証券会社も東証も枕を高くして眠れないのかもしれない。

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