六本木ヒルズ(東京都港区)に入居している大手IT企業が新築のオフィスビルに次々と引越しする、という報道が相次いでいる。しかし、こうした「ヒルズ離れ」について「大家」の森ビルは全面否定している。
例えば、日刊紙の「フジサンケイ ビジネスアイ」は、2006年12月6日に「楽天、来年7月新拠点 ヒルズ離れとまらず」という見出しを掲げ、「ライブドア・村上ファンド事件の舞台となった『六本木ヒルズ』(東京都港区)が、“引っ越し騒動”で揺れている」と報道した。「ライブドア・村上ファンド事件」の影響が大きいのではないかとし、ヤフーが現在の「六本木ヒルズ」から07年3月30日にグランドオープンする「東京ミッドタウン」に引越しすることや、楽天が同じく07年7月に「品川シーサイドフォレスト」に新たな事業拠点を設ける事などを挙げている。
楽天も「引越しという意味あいではない」
「ヒルズ離れ」はホント?
しかし、森ビル広報はJ-CASTニュースの取材に対し、
「一連の報道は知っていますが、事実誤認と言わざるをえない。オフィスは現在ほぼ100%稼動し、さらに増床の要望も強い。『ヒルズ離れとまらず』どころか、『離れ』が始まってもいません。テナントさんに取材してみればわかりますよ」
と報道を強く否定した。
ヤフーと楽天に取材した。
ヤフーは「六本木ヒルズ」で現在5フロアに入居しているが、来春に2フロアに縮小し、「東京ミッドタウン」に移転し10フロアを借りる。
ヤフー広報は、
「事業拡大に伴う人員増はわかっていまして、今回の増床計画は2年前にヒルズに入居した時から計画されていたプロジェクトでした。何かがヒルズで起こったからというものでは全くありませんし、報道にあるような『本社機能を新拠点に』という部分もそうかな?という感じです」
楽天はヒルズの入居フロア数を減らすわけではなく、そのままだという。楽天広報は、
「(品川シーサイドフォレストは)事業拡大にともなう増床部分で、引越しという意味合いではありません」
と、楽天も「ヒルズ離れ」を完全否定した。
どうやら、「ヒルズ離れ」とまで言い切るのには無理がありそうだ。