任天堂は2006年12月2日に新型家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を国内で発売した。これで、ソニーが11月に発売した「プレイステーション3(PS3)」、米マイクロソフト(MS)が05年末に発売した「Xbox360」とともに、ゲーム機大手3社の新型機が出そろい、「次世代ゲーム機戦争」が本格化した。緒戦は任天堂優位だが、ゲーム機の能力にすぐれるPS3は長期戦での巻き返しを狙っている。
「06年度内で600万台は十分達成可能」
PS3は長期戦での巻き返しを狙う
Wiiは、腕の動きに合わせてキャラクターを操作できるワイヤレスのコントローラーが特徴だ。希望小売価格が2万5,000円で、PS3の廉価版(同4万9,980円)や、Xbox360廉価版(同2万9,800円)より安い。初回出荷台数はPS3の約4倍の40万台弱で、一気に追い抜きにかかる。
ゲームファンの評判は上々で、12月2日は全国各地の家電量販店などで長蛇の列が出来、初日売り出し分を完売する店が続出した。任天堂の岩田聡社長は「06年度内で600万台の出荷目標は十分達成可能だ」と、Wiiの販売に強い自信を示している。先行発売した北米・中南米で発売後の8日間で約60万台が売れ、品切れが続出したためだ。「国内でも想像以上に期待が高まっている。かなりの勢いでスタートダッシュができると思う」と鼻息荒い。
Wiiに先立ち、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を大ヒットさせた任天堂。DS成功の要因は、ゲーム機メーカー各社が従来追求してきた高画質・高機能の路線とは一線を画し、簡便な操作で、幅広い年齢層の消費者が楽しめるゲームやソフトを充実させてきた点にあった。任天堂はこの戦略を、Wiiでさらに前進させる。「ゲームに見向きもしない人に振り返ってもらえるよう、パイを広げる努力を続けていく。ライバルは他のメーカーというより、消費者の無関心だ」と岩田社長は自信満々に話す。