2005年の郵政民営化法案に反対して自民党を離党した12人の衆院議員の「復党問題」は、誓約書の提出を拒んだ平沼赳夫議員を除く11人が自民党に復帰することで収束した。この決着を見るまでには復党賛成派と反対派間の綱引きがあったが、ネットへの発信の頻度と訴えた質の両面とも、一貫して復党に慎重な姿勢を示してきた中川秀直幹事長が、圧倒的に大きかった。
中川幹事長は「郵政民営化を含む政権公約の順守」などを条件として提示し、その誓約書の提出を12人の造反議員に求め、06年11月26日の段階でも「幹事長として条件を変えることは考えていない」と、強硬姿勢を崩さなかった。
公式ウェブサイトを見ていると、方針は明らかだった
中川幹事長のウェブサイトでは、記者会見での発言が細かく紹介されている
中川幹事長の公式ウェブサイトでも、この方針は繰り返し発信されてきた。同ウェブサイトの最新情報欄には、大きく2つのコーナーがあり、いずれも頻繁に更新されている。ひとつが、記者会見での言葉をピックアップして紹介する「中川のことば」で、もうひとつが、マスコミ報道に対して中川幹事長の視点で解説する「トゥデイズアイ」だ。
「中川のことば」の欄は、11月28日だけで10項目が更新されており、こんな見出しが並ぶ。
「一度にここまで条件を完全にのんでいただいたのは若干想定外の部分も」
「わが党が改革後退しない保証を今回頂いたから、復党を認めていく」
「わが党が信念を曲げることはありえない」
また、「トゥデイズアイ」では、世論調査で「復党反対」の声が多いことに触れ、
「『造反組を復党させたら、去年の郵政選挙の意義はいったい何だったのか』という強い疑念が国民にあるのではないか」
などと分析している。