テレビやDVDのリモコンを操作すると、電気ストーブのスイッチが入る。こうした誤作動が起きる電気ストーブがあることが、2006年11月15日の独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)の発表でわかった。火災などの事故はまだ報告されていないようだが、いったいなぜこんなことが起こるのか。
「テレビのリモコンでチャンネルの切替えをしたところ、リモコン付き電気ストーブが点灯した」
「何もしないのに、リモコン付き電気ストーブが勝手に点灯した」
などの情報をNITEが得たのは2004年4月だったという。
中国から輸入2製品がテレビ用リモコンで点火
「NITE」ではストーブの誤作動について注意喚起している
NITEは、ヒーターの点灯が付属の赤外線リモコンで行えるストーブを13銘柄を購入し、国内家電メーカーの赤外線リモコン(テレビ用リモコン9社9銘柄、HDD/DVDレコーダー用リモコン9社9銘柄、ビデオレコーダー用リモコン4社4銘柄)でテストをした。すると中国から輸入した2製品が、ソニー、シャープ、日立のリモコンで点火したり、首振りをしたり、暖かさの強弱のスイッチが変わることがわかった。
NITEは、
「今回はテレビやDVDなどのリモコンだけのテスト。エアコンなどリモコンを使う家電は多数あり、他にも誤作動に関係するリモコンがあるのではないか」
と話し、リモコン全般に対して注意を促す。
リモコンで誤作動が起きる原因は、リモコンから発せられる信号の一部がストーブを作動させる信号と一致しているためで、日本製品の場合は誤作動が起きないように信号の割り振りをしている。しかし、輸入品(中国、台湾、韓国等の海外メーカー設計製品)については、コストを考えて、こうした信号方式を採っていないものがある。さらに輸入ストーブを動かすために設定しているリモコンの信号が、短いことが誤作動を起きやすくしている。
さらにリモコンだけでなく、冷蔵庫などの家電から出るノイズ(電圧の変化)で、点火など誤作動する中国製、台湾製のストーブが4機種見つかった。コストの問題などでノイズを抑えるフィルターが付いていなかったりするためだ。これは留守中に点火する場合もあり非常に危険だ。