「NEWS23」は報道に慎重な姿勢
一方で、自殺報道に慎重な姿勢を示す番組もある。ネット上では「みのもんたの『朝ズバッ!』を婉曲批判」とまで揶揄された、TBSの報道番組「NEWS23」での筑紫哲也氏の発言がそれである。
「私どもの番組をよくご覧いただいている方は、子供のいじめと自殺の問題を私たちが微に入り細に入りお伝えしていないことにお気づきだと思います。社会的に大いに関心のあるテーマであることは分かっておりますし、起きたことをきちんと伝えなければ報道の役目を果たせませんが、(中略)しかし、一方で大変悩ましいのは、自殺というのは伝えようによっては非常に連鎖反応を起こしやすいということであります」
文部科学省は自殺報道についてどのように考えているのだろうか。同省児童生徒課は、マスコミの自殺報道と自殺の連鎖について次のように述べる。
「メディアが子供に与える影響は大きいと思われる。しかし、表現の自由も尊重しなくてはいけない。メディア側が子供に与える影響を考慮する必要がある」
文部科学省もマスコミに対して報道の自粛を迫るわけにもいかず、記者会見でのやりとりで「それなりの働きかけはしている」とするにとどまっている。